欲しい人にはほぼ普及ずみ? ゲーム機の所有・利用状況をさぐる(2019年公開版)

↑ 多くの人にとって今なおゲーム機は心の友だが。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

据置型の普及率は5割台

昨今ではインターネット接続が当たり前となりオンラインゲームも多数発売され、一方で同様のゲームが遊べるスマートフォンとのし烈な市場の覇権争いが繰り広げられているゲーム機。その所有・利用実情を総務省が2019年9月に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の公開値を基に確認する。

次に示すのはテレビゲーム機(据置型)の所有および利用状況。自宅にある・無しを回答者に答えてもらい、ある場合には回答者自身が利用しているか、それとも利用していないか(置いてあるだけなのか、家族の別の人が使っているかは問わない)、無い場合には自宅に欲しいか、必要ないかを答えてもらっている。単純にある無しの回答だけでなく、ある場合には利用状況を、無い場合には所有希望の有無まで尋ねることで、細かいテレビゲーム機の需要を確認できる。なお今件は回答票には「テレビゲーム機(Wii、PlayStationシリーズなど)」と記載されている。

↑ 据置型ゲーム機所有状況(自宅、属性別)(2018年)
↑ 据置型ゲーム機所有状況(自宅、属性別)(2018年)
↑ 据置型ゲーム機所有状況(自宅、「無い」、属性別)(2018年)
↑ 据置型ゲーム機所有状況(自宅、「無い」、属性別)(2018年)

全体では自宅所有率は57.0%。しかし利用率は25.5%に留まっている。かつて使っていたが今はほこりをかぶっているとのケースもあろうが、むしろ子供が使っているが保護者である回答者は遊んでいない事例が多いのだろう。実際年齢階層別では低年齢ほど利用率では高い値を示している。10代では所有率78.7%、利用率53.2%。

就業形態別では時間の余裕が無さそうな人ほど、逆に利用率は高い(学生・生徒除く)。世帯年収別では、800~1000万円まではほぼ低世帯年収ほど低所有・利用率を示している。一方で都市規模別では特徴的な動きは無い。

非保有者の状況だが、属性に限らずほとんどの人が据置型ゲーム機は必要ないと回答している。現在自宅に据置型ゲーム機がある人がもう一台、あるいは買い替えで購入する可能性までは推し量れないが、少なくとも現在一台も無い世帯において、新たに購入される可能性はほとんど無いと見てよい。一言で表現すれば世帯ベースでは飽和状態にある。

携帯ゲーム機も飽和状態かも

続いて携帯ゲーム機。こちらは回答票には「携帯型ゲーム機(ニンテンドー3DS、PS Vitaなど)」と表記されている。

↑ 携帯ゲーム機所有状況(自宅、属性別)(2018年)
↑ 携帯ゲーム機所有状況(自宅、属性別)(2018年)
↑ 携帯ゲーム機所有状況(自宅、「無い」、属性別)(2018年)
↑ 携帯ゲーム機所有状況(自宅、「無い」、属性別)(2018年)

全体では自宅所有率・利用率ともに据置型ゲーム機と大体同じ。所有率は男女差があまり無いものの利用率は男性の方が高い。そしてやはり10代の値が圧倒的に高い。20代以降の減少ぶりも据置型ゲーム機同様で、利用率では年齢とともに低い値となる(40代で所有率が跳ね上がるのは子供がいる影響だろうか)。スマートフォンへのシフトが反映されているのかもしれない。就業形態別ではやはり学生・生徒がずば抜けて高く、8割台が所有し、5割以上が利用している。

世帯年収別では据置型ゲーム機同様、低世帯年収ほど低所有率を示している。そして400万円以上では大きな変化が生じていない。都市規模別では特徴的な動きは無い。

他方非所有者の思惑は、意外にも据置型ゲーム機と同じで、ほぼ飽和状態にあることが分かる。自宅に携帯ゲーム機が無い人の大多数は、将来にわたっても欲しいとは思わないと考えている。代替わり、買い増しなどの理由で現在の所有者がさらに購入する可能性は否定できないが、現在非保有者が新たに購入する機会はあまり無いとの結論に達する。

今件はあくまでも回答時の状況で、しかも13歳以上の回答者に限られている。大学生や社会人になり一人暮らしを始める=新世帯で暮らすようになる場合の環境変化、13歳未満の子供の所有願望は反映されていない。

しかし少なくとも現状では多分に、据置型ゲーム機・携帯ゲーム機ともに、飽和に近い状態であることは否定できまい。さらに今後の動向を見守る必要があるが、タブレット型端末やスマートフォンの浸透で、稼働率が低下する、つまり自宅にあるが使っていない人の割合がこれまで以上に低下する可能性は大いに考えられよう。

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※平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2019年2月23日から3月1日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

なお今調査は例年11~12月にかけて行われるが、直近分は翌年の2~3月となっている。グラフや本文上の表記や考察は、報告書に準ずる形で2018年と表記する。また調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが生じているが、報告書では「調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きをしている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。