日本のエネルギー事情をさぐる(2019年公開版)

↑ 日本のエネルギー事情は? 色々な項目を確認。(写真:アフロ)

国際石油資本BP社では毎年公式サイト上に、エネルギー関連の動向をまとめた白書「Statistical Review of World Energy」を公開している。この内容を基に、日本に関するいくつかのエネルギー動向を確認する。

まずは日本における原油の消費量。こちらは1965年以降の値が年次で収録されている。単位は億トン。個人レベルではピンと来ない単位だが、大まかにその分量の推移を把握できる。

↑ 日本の原油消費量(億トン)
↑ 日本の原油消費量(億トン)

内燃機関を持つ多様な自動車の燃料となるガソリン、ストーブには欠かせない灯油だけでなく、火力発電所の燃料や各種工業製品の原材料としても不可欠な原油だが、科学技術の進歩や高効率性の機関の開発、利用資源の多様化などに伴い、1996年の2.71億トンをピークに消費量は減少しつつある。2011年以降数年間はイレギュラーな形で上昇しているが、これは発電事情に伴うもの。

続いて原油の輸入量。こちらは1980年以降のデータを確認できる。公開資料における元値はバレルだったが、グラフ作成の際にトンへ換算している。

↑ 日本の原油輸入量(億トン)
↑ 日本の原油輸入量(億トン)

やはり前世紀末をピークとしてそれ以降は漸減。昨今では震災起因で少しばかり量を増やしているが、それも失速している。なお消費量と微妙に値が異なるのは、備蓄として用いられたり、何らかの形に加工されて海外に輸出されるケースがあるからに他ならない。とはいえ、急激にそのバランスが変わるはずは無く、消費量のグラフ形状と大きな違いは無い。

次に天然ガス。日本の産出量はゼロでは無いが、少なくともその名前を産出国として独自に挙げられる量には達していないようだ(【天然ガス鉱業会の資料】では年間30億立方メートル以上とあるが、これは270万トンの原油に相当する)。消費量の大部分はLNGの形で海外から輸入することになる。

↑ 日本の天然ガス消費量(原油換算で億トン)
↑ 日本の天然ガス消費量(原油換算で億トン)

環境負荷が小さいことや地域による産出の偏りが原油よりも少ないため、天然ガスは大いに重宝される形となり、消費量も増加している。特に震災以降は火力発電の燃料として大いに注目され、消費量も急増。昨今ではその反動もあり、多少ながらも消費量は落ちているものの、全体的には上昇傾向を継続している。

続いて一次エネルギー(自然界に存在するそのままの形を用い、エネルギー源に使われているものを指す。化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)、ウラン、そして水力、火力、さらには太陽熱・太陽光・地熱などの再生可能エネルギーが該当する)の消費量。

↑ 日本の一次エネルギー消費量内訳(原油換算、100万トン)
↑ 日本の一次エネルギー消費量内訳(原油換算、100万トン)

震災直前とそれ以降を対象期間としたが、震災を契機として原油が一時的に上昇したものの、その後に下落、天然ガスは上昇から横ばい・やや下落、石炭は一時的な上昇を見せたがすぐに横ばい。そして原子力は失速し2014年にはゼロとなり、2015年以降はわずかに戻しを見せるが、まだ微少に過ぎない。原子力の穴埋め的な立場にある水力は少しずつ増えたがそれも天井、再生可能エネルギーも増加しているが、汎用性の高い原油や天然ガスと比べると、圧倒的な不足感は否めない。

その再生可能エネルギーだが、内訳は次の通り。縦軸の区切りは変えてあるが、表示単位そのものは直上のグラフと変わらない。

↑ 日本の一次エネルギー消費量内訳(再生可能エネルギー、原油換算、100万トン)
↑ 日本の一次エネルギー消費量内訳(再生可能エネルギー、原油換算、100万トン)

再生可能エネルギーの増加分はほとんどが太陽光によるもの。風力や地熱なども増加しているが、それは微々たる量でしかない。さらにバイオ系の燃料は数字として公開できる量までには至っていないので(原油換算で100万トン以上を継続)、資料には掲載されていない。

太陽光の増加量は目覚ましいものだが、同時に一つ前のグラフと比較すると、2018年の時点ですら、エネルギー消費量全体においてはほんのわずかな割合でしか貢献できていない現実も突きつけられることは否定できない。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。