高齢者自身は「支えられるべき高齢者」を何歳以上と考えているのか(2019年公開版)

↑ 年を取ると日常生活においてもサポートが必要になることも。(写真:アフロ)

「年齢では判断できず」が2割

人は老化とともに、他人や社会全体からの直接・間接的な支援が必要な状況になる。それでは高齢者自身は、何歳ぐらいから社会に支えられるべきであると考えているのだろうか。内閣府が2015年3月に発表した「平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査」(※)の結果から確認する。

年を取った人に対し、何歳ぐらいから支えるべきだと考えているか、選択肢の中から一つ選んでもらった結果が次のグラフ。設問では単に「一般的に支えられるべき高齢者」とのみ説明されており、誰が、どのような組織がなど、また支える内容についても具体的補足は無い。社会全体で、社会全体が通常の成人とは異なるように認識し、さまざまな支援を行うと読み解くのが普通だろう。あるいは現役世代と同じように扱われるのは無理があると判断される状態だろうか。

↑ 支えられるべき高齢者とは何歳以上か(男女別・年齢階層別)(2014年)
↑ 支えられるべき高齢者とは何歳以上か(男女別・年齢階層別)(2014年)

60代から支えられるべきだと考えている人は少数派で、早くとも70代以降が多数意見となる。70代では4割強とボリュームゾーン、80代まで待つ必要があるとの意見も3割程度。他方、年齢では判断できないとの意見も2割近くに及ぶ。

男女別では男性よりも女性の方が、より高齢で支えるべぎだとの意見が多い。これは自身の状態を見た上での判断が多分に働いているものと考えられる(一般的に女性の方が長生きする)。また回答者の年齢階層別ではきれいな形で、年を取るほど支えるべき歳の基準が高齢化していく。これもまた、回答者自身の状況を顧みた上での判断だろう。一方で「年齢では判断できない」は男女別や年齢階層別の差がほとんど無く、2割前後を維持している。

単なる高齢者と支えられるべき高齢者と

今調査では別項目で「高齢者」との名称は何歳ぐらいから使われるべきかとの質問も行われている。

↑ 高齢者とは何歳以上か(具体的年齢回答者に限定した平均値、男女別・年齢階層別、歳)(2014年)
↑ 高齢者とは何歳以上か(具体的年齢回答者に限定した平均値、男女別・年齢階層別、歳)(2014年)

そこで単純な名称としての「高齢者」、そして今回の「支えられるべき高齢者」双方について、具体的区分年齢で回答した人に限り概算平均値を算出し、それを併記したのが次のグラフ。

↑ 高齢者とは/支えられるべき高齢者とは何歳以上か(具体的年齢回答者に限定した平均値、歳)(2014年)
↑ 高齢者とは/支えられるべき高齢者とは何歳以上か(具体的年齢回答者に限定した平均値、歳)(2014年)

双方とも男性より女性、回答者自身が年を取るほど年齢が上がっていく。そして単なる高齢者の呼称対象年齢と、支えられるべき高齢者との差異は2年から3年の範囲に留まっているのが興味深い。

要は高齢者に属するような年齢に該当する層の考えとしては、「高齢者」の呼称は「社会全体から支えられるような状況、年齢」の一歩手前で、それから2年から3年で社会が支えねばならないような状態になるとの認識なのだろう。また今回の「支えられるべき高齢者」に限定すれば、おおよそ70代後半で自分自身が支えられるべき存在であるとの自覚を持つようになる。社会福祉の問題を考査する際には、覚えておいてもよい数字に違いない。

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※平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査

2014年12月4日から26日にかけて層化二段無作為抽出法によって選ばれた日本国内に住む60歳以上の男女に対し、郵送配布・郵送回収形式で行われたもので、有効回答数は3893件。

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