高齢層は自炊ができなくなったら食事をどうしようと考えているのか(2019年公開版)

↑ いくつになっても食事は欠かせないが、作るのは段々難儀となる。(写真:アフロ)

高齢層の自炊代替は配食サービスが人気

身体の自由が利かなくなる、料理が面倒になるなど、年を取るに連れて自炊は難しくなる。そのような状況になった時、高齢者はどのような形で食事を用意するつもりなのだろうか。内閣府が2015年3月に発表した「平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査」(※)の結果から確認する。

高齢者が何らかの事情で自分(達)で食事の用意ができなくなった、つまり自炊が不可能な状態となった場合、どのような手段で食事を調達したいと考えているかを複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人が挙げたのは「配食サービスを利用する」だった。6割近い人が同意を示している。

↑ 自分(達夫婦)で食事の用意ができなくなった場合にどうするか(複数回答、男女別)(2014年)
↑ 自分(達夫婦)で食事の用意ができなくなった場合にどうするか(複数回答、男女別)(2014年)

昨今では専門業者に限らず、コンビニによる配食サービスも本格化している。需要の拡大に伴い、元々配食を手掛けていたサービスの高齢者向け食品の展開だけでなく、類似業界の参入も相次いでいる状況が手に取るように分かる。

次いで多いのは誰か他の人に作ってもらうとの手立て。今調査対象母集団では単身高齢者世帯や高齢者同士の夫婦世帯以外に、子供や孫などと同居している世帯も多数含まれている。高齢者自身で食事が作れなくなっても、同居人に作ってもらうつもりであるとの意見。またそれができなくとも、ホームヘルパーなどに頼んでもらうのも不可能では無い。

それに続くのは既製品を買う、出前を取る。おおよそ1/4の人が選択肢として挙げている。コンビニやスーパーなどの総菜売り場で高齢者の姿をよく見かけるようになったが、その人達もあるいはこの選択肢に該当するのかもしれない。

外食を利用する人は2割近く。興味深いのは直上の項目「既製品や出前」と合わせ、就業者の昼食や夕食で選択されがちな、中食・外食に該当する項目は、男性の方が回答率が高いこと。就業していた時の習慣がそのまま意識として残っているのだろう。

年齢階層別ではどうだろうか

今件について回答者の年齢階層別で区分し直したのが次のグラフ。

↑ 自分(達夫婦)で食事の用意ができなくなった場合にどうするか(複数回答、年齢階層別)(2014年)
↑ 自分(達夫婦)で食事の用意ができなくなった場合にどうするか(複数回答、年齢階層別)(2014年)

回答者の年齢が若いほど「配食サービス」「既成品や出前」「どこかへ食べにいく」などの回答率が高い。他方「誰かに作ってもらう」「食事つきの施設・住宅の利用」は80歳以上で増加するが、それより若い層ではほぼ横並び。若いうちはより多くの選択肢を想定していることが分かる。「配食サービス」「既製品や出前」の回答率が歳とともに漸減していくのは、行動範囲の問題や、自分の身体にあった料理が無いことなどがハードルなのかもしれない。

食事は毎日食べる必要があるため、それが用意できなくなるのは生死に係わる問題。今件の「自炊ができなくなる」場合でも多様な選択肢があるが、いずれもコストは高いものとなる。また完全に自炊ができないわけではないが、若い時のように手の込んだ調理を避けるようになる、出来合いの食材の調達比率が多くなるなど、手間がかけられなくなる状況は容易に想定できる。

以前一部で公的データを用いた精査結果から、高齢者世帯の食費が高いとの議論が持ち上がったことがある。出来合い品の調達度合いが増える、あるいは今件選択肢のようにお任せになる状況ならば、若年層世帯の食費と比べて高めにつくのは当然の話に違いない。

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※平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査

2014年12月4日から26日にかけて層化二段無作為抽出法によって選ばれた日本国内に住む60歳以上の男女に対し、郵送配布・郵送回収形式で行われたもので、有効回答数は3893件。

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