2割台の人が利用中…オンラインゲームの利用実情をさぐる(2019年公開版)

↑ ついつい夢中になるスマートフォンのオンラインゲーム。(写真:アフロ)

インターネットのインフラとしての普及と、それにアクセスするための窓口となるパソコンやスマートフォンの普及で、大きく様変わりしたのがゲーム業界。今ではインターネットへの接続で不特定多数との意思表示や、運営側が有するデータとのやりとりによって進展するゲーム(オンラインゲーム)がごく当たり前のものとなってしまった。そのオンラインゲームは現状でどこまで普及しているのだろうか。総務省が2019年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に確認する。

次に示すのは2018年時点で過去1年間にインターネットを利用したことがある人において、オンラインゲームをプレイしたことがあるか否かを尋ねた結果。ここにおけるオンラインゲームとは「インターネットを利用し、多人数で同時に同じゲーム進行を共有することができるゲーム」と説明されている。多人数同時参加型ネットワークロールプレイングゲームの類に限らず、ソーシャルゲームなども該当すると見てよい。また全部無料でプレイできるものに加え、有料制のもの、そして基本は無料だが特殊な環境や設定を利用する場合には課金を行う(例えばアイテム課金)もすべて含まれる。さらに機種は特定していないので、パソコンでもスマートフォンでも家庭用ゲーム機でもかまわない。

↑ オンラインゲーム利用者(過去1年間、インターネット利用者限定)(2018年)
↑ オンラインゲーム利用者(過去1年間、インターネット利用者限定)(2018年)

全体では31.5%。インターネットを利用している人の3割強は、オンラインゲームを利用している計算になる。全般的には女性よりも男性が積極的に利用しており、年齢階層別では男性は中学生から高校生ぐらいでピークに達し、それ以降になると利用率は減っていく。男性は中高生の時がピークだが、30代まで5割超えが継続する。60代に入ると利用者は1割足らずにまで値は落ち込む。

女性は増減の仕方は男性と大きな違いは無いものの、元々の値が低く、最大値も4割台。男女間のオンラインゲームへの熱中ぶりの違いがよく表れている。

世帯年収別ではさほど差異は出ていないものの、400万円未満と2000万円以上の世帯ではやや低めの値。

上記のグラフはインターネット利用者に占める割合。実際には年上となるに連れてインターネット利用率そのものも減少していくので、世間一般との認識にはいくぶんのずれが生じている。そこで調査対象母集団全体として、各属性全員に対する比率を求めたのが次のグラフ。例えば男性20代は56.0%とあるので、インターネットを利用している人、していない人も合わせて男性の20代全員のうち56.0%はオンラインゲームをしている計算になる。

↑ オンラインゲーム利用者(過去1年間、調査対象母集団全体)(2018年)
↑ オンラインゲーム利用者(過去1年間、調査対象母集団全体)(2018年)

全体では24.1%、男性は3割近く、女性は2割近く。世間へのゲーム浸透度を推し量るのにはこちらの値の方が適切だろう。男性は中高生から20代までは5割以上だが、40代で3割台にまで落ちる。男性ではおおよそ40代と50代がオンラインゲームプレイヤーとしての境目だろうか。

女性も男性とはあまり変わらない増減を見せるが、元々の値そのものが男性と比べて低い。ピークは中高生から20代で4割強。30代以降はほぼ男性と同じような減少ぶりを見せていく。

世帯年収別では1000~1500万円未満が増加のピークで、あとはやや減少。2000万円以上が低い値を示しているのは、ゲームとは距離を置きがちな高齢層が多く属しているため。

昨今ではオンラインゲームといえばスマートフォンを用いたものがよく知られている。基本無料でアイテムなどによる課金制のシステムがメインだが、スマートフォンそのものの利用者数が多く、カートリッジや光磁気ディスクのようなメディアによる提供ソフトと比べてアプリケーションによる提供のため購入しやすいこともあり、流れに乗れば利用者は万単位のものとなり、売上も大きなものとなりうる。セールス的に優れたタイトルを生み出すことができれば、経営的に傾いた会社を立て直すこともできるほど。

通販や交通地図と異なり、生活の上での必需性は無いため利用率は限られたものとなってしまうが、それでも現状はまだまだ伸び代があるようにも見える。例えば「ポケモン GO」のような、幅広い層が興味関心を抱くタイトルの創生が求められよう。

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※通信利用動向調査

2018年分は2018年10~12月に、「世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に」「企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に」対して、郵送による調査票の配布および回収の形式によって行われている(企業向けは一部オンラインでも実施されている)。有効回答数はそれぞれ1万6255世帯(4万2744人)、2119企業。世帯調査における調査票のうち約8割は回収率向上のために調査事項を限定した簡易調査票が用いられている。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。