個人ベースでは79.8%…インターネットの普及率の推移をさぐる(2019年公開版)

↑ 誰もが気軽にインターネットの時代。個人での普及率は。(写真:アフロ)

パソコンやスマートフォンをはじめとした携帯電話はもちろん、家庭用ゲーム機、さらには各種家電製品にまで実装されるようになったインターネットへのアクセス機能。多様な場面・部門でインターネットは活用されており、生活に欠かせないインフラ的な立ち位置を示している。それでは日本におけるインターネットの普及率はどれほどなのだろうか。複数の視点でこの「インターネット普及率」は確認できるが、今回は総務省が2019年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の報告書や公開値の内容を中心に、その実情を確認する。

最新版(2018年版)の「通信利用動向調査」によると、2018年9月末時点のインターネットの普及率(過去1年間にインターネットを一度でも利用したことがある人の率)は79.8%となっている。

この調査結果における「インターネット利用」の定義は「6歳以上」「過去1年間にパソコン・携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォン、PHS合わせて)・家庭用ゲーム機・タブレット型端末などあらゆる端末でインターネットにアクセスした経験がある」となっている。つまりプライベート、仕事、学業上などの目的や、該当機種を所有しているか否かは考慮されていない。例えばインターネットカフェからのアクセス、スマートフォンでの閲覧も「利用者」にあたる。

↑ インターネット利用者数および人口普及率(6歳以上の個人)
↑ インターネット利用者数および人口普及率(6歳以上の個人)

1997年末には人口普及率は9.2%でしかなかった。しかし20世紀末から21世紀にかけて急速に上昇し、2005年末には70%を突破する。以後、成長率は鈍化しているが、上昇は継続している。一方でここ1、2年は減少に転じているが、これは多分に高齢者の総人口比が増えていることに起因するものと考えられる。

一方、2000年前後から現在に至るまで、学校など一部を除き、「パソコン」≒「インターネット」との図式が成り立っている。パソコン所有者はほぼ同数が、それを使ってインターネットを利用する次第。そのような状況から考えれば当然なのだが、今グラフはパソコン普及率とほぼ同じ動きを示している。

↑ パソコン普及率(内閣府消費動向調査・2人以上の世帯)(筆者作成)
↑ パソコン普及率(内閣府消費動向調査・2人以上の世帯)(筆者作成)

2005年以降普及率が鈍化しているのは、その時点までで導入・使用意向の高い世帯・個人の多くが環境を導入したことによるものと考えられる。残りの未導入の個人はインターネットを利用する意思が弱い人、あるいは利用しにくい環境にある人など。それら利用者対象外が利用をはじめるのは、容易なことでは無い。ハードルの高さは少しずつ低下しているものの、全員がスムーズにその障壁を越えることは難しい。あるいはハードルを越えることに意義を感じない人もいる。

ただし昨今では他の複数の記事、そして「通信利用動向調査」でもいくつかの項目から判明している通り、スマートフォンが気軽なインターネットへのアクセスツールとして普及浸透している関係で、若年層を中心に「パソコン離れ」的な現象が起きているのも事実。ここ数年ではパソコン普及率とインターネット人口普及率との間の連動性が薄れている気配がある。

インターネット普及率を上げる方法の一つに挙げられるのが、スマートフォンも含めたモバイル端末の積極的な普及の促進。パソコン経由のインターネット接続に比べ、モバイル端末は手続きや事前準備、環境整備がきわめて単純化している。アクセス制限や表現能力など、パソコンと比べて限られている面もあるが、いつでも手持ちにできるなどの「携帯電話をはじめとしたモバイル端末ならではのメリット」も多い。今や若年層にとってはパソコンではなく携帯電話(実質的にはほとんどがスマートフォン)がインターネットへの主流窓口として存在している。

整備すべきインフラとしてインターネットの普及を目指すのであるとすれば、ブロードバンド環境の一層の整備充実とともに、(インターネットへの接続が可能な)モバイル端末、あるいはタブレット型端末の普及促進にも力を入れた方が好ましい。実際、海外、特に新興国では、モバイル端末の普及を中心にインターネット利用者・利用率が急増しているのだから。

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※通信利用動向調査

2018年分は2018年10~12月に、「世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に」「企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に」対して、郵送による調査票の配布および回収の形式によって行われている(企業向けは一部オンラインでも実施されている)。有効回答数はそれぞれ1万6255世帯(4万2744人)、2119企業。世帯調査における調査票のうち約8割は回収率向上のために調査事項を限定した簡易調査票が用いられている。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。