主要国の高齢化の動きを国連予想からさぐる(2019年公開版)

↑ 高齢化は世界共通の問題、か?(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

用語の定義

国連では事務局経済社会局の人口部局が人口統計学的な推計として「World Population Prospects」を定期的に更新の上公開している。この値の最新版となる「World Population Prospects 2019」を用い、諸外国の高齢化の現状と今後の推移を確認する。

まずは言葉の定義について。

年少人口…14歳以下

生産年齢人口…15~64歳

老年人口…65歳以上

老年人口指数…(老年人口÷生産年齢人口)×100

従属人口指数…((年少人口+老年人口)÷生産年齢人口)×100

「老年人口指数」は単純に、生産に従事する人に対する高齢者の比率。この値が高いほど、生産者の高齢者に関する負担が大きくなる。100に達すると生産年齢人口が老年人口と同じになる。

また、生産をする・しないで考えると、高齢者以外に年少人口に該当する人たちも生産は行えない。実質的には生産年齢人口は、年少人口と老年人口の双方を支えることになる。この点に注目した指数が「従属人口指数」。この値が大きいほど、非生産人口を支える、生産年齢人口の総合的な負担が大きくなる。

「老年人口指数」「従属人口指数」主要国の推移を比較

それでは各国別に算出した各指数を重ね合わせ、国別の高齢化状況を比較するグラフを生成する。まずは「老年人口指数」について。シンプルに高齢化の進行を推し量るのに適している。

↑ 主要国老年人口指数推定(World Population Prospects 2019より試算)
↑ 主要国老年人口指数推定(World Population Prospects 2019より試算)
↑ 主要国老年人口指数(2020年、2100年)(World Population Prospects 2019より)
↑ 主要国老年人口指数(2020年、2100年)(World Population Prospects 2019より)

日本の高齢化が他国と比べて飛びぬけて高い水準で進んでいる実情があらためて認識できる。その日本の高齢化も、2055年頃がピークとなり、以後は漸減。指数は70強で落ち着くことになる。とはいえ、同年における他国と比べれば、非常に高い値には違いない。

他国の動向としては、中国の急速な高齢化が目に留まる。2020年時点では20足らずでしかなかった指数は2060年頃まで勢いよく上昇。2060年でようやく高齢化に歯止めがかかるように見えるが、2080年頃からもう一段階上昇し、60近くにまで伸びて日本の値に近づく状況となる。人口の多さでは中国と並び注目されるインドやインドネシアは、高齢化の動きも緩やかなもので、一定率でしか上昇しない。イギリスは「老年人口指数」上では緩やかながらも上昇を続け、2080年には50を超え中国に近づく値を示すようになる。

続いて「従属人口指数」。単に高齢化社会の進行を確認するのではなく、生産年齢人口の負担を考える視点では、こちらの方が理解しやすい。

↑ 主要国従属人口指数推定(World Population Prospects 2019より試算)
↑ 主要国従属人口指数推定(World Population Prospects 2019より試算)
↑ 主要国従属人口指数(2020年、2100年)(World Population Prospects 2019より)
↑ 主要国従属人口指数(2020年、2100年)(World Population Prospects 2019より)

国別順位や各国ベースでの動向において「老年人口指数」と大きな違いはないように見えるが、インドでは少々違いが見られる。インドでは2040年まで「従属人口指数」の値が低下している、つまり生産年齢人口の負担が減っている。

これはひとえにインドにおいて生産年齢人口が急激に増加し、年少人口や老年人口の上昇率を上回っているからに他ならない。支える側の人数が増えるので、一人あたりの負担が減る次第である。

単純計算ではそれだけ国全体、特に生産年齢の人達に余裕が出来るので、国そのものの成長が期待できる(無論人口比率や人口そのものの大小が、国そのものの伸縮を決定づけるすべての要因ではないが)。

今回使用した国連の推定データは、定期的に最新のものに更新され、場合によっては小さからぬ変化が生じることになる。実際、前回(2017年版)との間では、日本やイギリス、インドネシアなどで高齢化が進んでいるのが確認できる。今後も随時新規データを取り込んでグラフを生成し、各国の動向を年齢階層別比率から推し量ることにしよう。

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