小中高校生がタブレット型端末でしていることの中身をさぐる(2019年公開版)
タブレット型端末では動画視聴やゲーム
スマートフォンとパソコンの中間的な立場にあるタブレット型端末。スマートフォン同様に子供達の間にも浸透しはじめている。子供達はその端末でどのようなことをしているのだろうか。内閣府が2019年5月に確定報の詳細値を発表した「2018年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)から確認する。
次に示すのはタブレット型端末、それに加えて学習用タブレット、さらにはインターネット接続テレビそれぞれでインターネットを利用している人における、その端末による利用内容を示したもの。普段からその目的で利用していると認識した項目に答えてもらっている。「コミュニケーション」とは電子メールやメッセンジャー、ソーシャルメディアなど、他人との意思疎通ができるサービス全般を意味する。なお空欄部分はその属性で回答者がいなかったことを意味する。
まず汎用的なタブレット型端末では、動画視聴がもっともよく行われており7割きっかり。次いでゲーム、情報検索。音楽視聴やコミュニケーションにも多くの人が使っている。利用傾向としてはパソコンのそれにやや近いかなとの感はある。
他方学習用タブレットでは勉強・学習がもっとも多く9割近く。当然といえば当然のお話。それ以外ではコミュニケーション、情報検索、動画視聴や電子書籍、ゲームなどが1割前後。
昨今では地道に、しかも確実に普及し始めているインターネット接続テレビでは動画視聴の利用性向がもっとも高く6割近く。テレビの特性を考えれば当然の結果ではある。それ以外ではニュースや情報検索、音楽視聴、ゲームが高め。これもまた、テレビがおかれているポジション(物理的な意味も併せ)を考えれば納得のいく結果。
これを各機種でインターネットを利用している人に対する割合では無く、全体比で算出したのが次のグラフ。例えばタブレット型端末の動画視聴は21.1%とあるので、小中高校生全員のうち21.1%が、タブレット型端末を使ってインターネット経由で動画視聴をしていることになる。
タブレット型端末はインターネット利用普及率がそこそこ(全体比で30.2%)あるため、他機種と比べても群を抜いて高い値を示している。動画視聴が2割超えなのをはじめ、ゲームが1割台後半、情報検索が約1割。他方、学習用タブレットやインターネット接続テレビは、全体比では誤差の範囲でしか無い(学習用タブレットの勉強・学習がかろうじて5.8%を示している程度)。ポテンシャルはそれなりにありそうだが、まずは機種そのものの普及率向上が必要不可欠には違いない。
高校生に限ってみると
今回の調査対象母集団のうちもっとも金銭面での融通性が高く、また年齢の上でも大人に近い高校生に限定した結果が次以降のグラフ。
タブレット型端末では動画視聴がトップで情報検索も高い値を付けている点は変わらないが、ゲームが値を落としている。他の機種動向でも見られた動きで、高校生はゲームそのものへの関心が薄れていることを示唆している(あるいはスマートフォンにおけるゲームへとシフトしているのかもしれない)。一方でニュース、地図・ナビゲーションや電子書籍などはむしろ値を伸ばしており、実用的な使い方をしていることが分かる(あるいは逆で、実用できるような知識経験を持つようになったからだろう)。
学習用タブレットでは勉強・学習以外も、学習に関係がありそうな情報検索、動画視聴の項目などで高い値。またインターネット接続テレビでは動画視聴以外に情報検索などが高めの値となっている。
これを高校生全体比で算出したのが次のグラフ。
高校生では1割強がタブレット型端末で動画視聴をしている。情報検索は8.1%、ゲームは7.1%。高い値とは言い難い。これはひとえにタブレット型端末でインターネットを利用する人の割合が小さいため(高校生全体比は19.9%)。おおよそこれらの行為はスマートフォンで可能なため、わざわざタブレット型端末などで行う必要性は無いのだろう。
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※2018年度青少年のインターネット利用環境実態調査
2018年11月8日から12月9日にかけて、2018年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3079人(うちウェブ経由は73人)、保護者は3445人(うちウェブ経由は21人、郵送回収法は39人)。
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