主要国では「議員は一般市民のことを気にかけているか」には35%のみが同意

↑ 選挙時には多様な約束や宣言をする議員。一般市民はいかなる目で見ているか。(写真:アフロ)

国会議員も地方議員も一般市民(選挙民)による選挙の結果選ばれたもので、一般市民の代表的な立場から与えられた権限に基づいて政治を執り行う。一般市民の考え方、思惑は多様なもので、議員の行動は必ずしもそれに拘束されるわけでは無いが、直接該当議員に投票した人はもちろん、そうでない人からも、自分の思惑にあった政治をしてもらうことを期待している。それでは実際に投票をする立場にある一般市民は、議員の政治活動についてどのような感想を抱いているのだろうか。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2019年4月に発表した、民主主義諸国における民主主義の浸透度合い、国民の認識に関する調査結果「Many Across the Globe Are Dissatisfied With How Democracy Is Working」(※)から、その実情を確認する。

次に示すのは議員(国会議員、地方議員を問わず)の政治行動を見て、一般市民のことを気にかけているように見えるか否かに関して、「大変そう思う」「そこそこそう思う」「あまりそうは思えない」「まったくそうは思えない」「その他」の中から一つを選んでもらい、そのうち肯定的な「大変そう思う」「そこそこそう思う」の合算を「はい」と、否定的な「あまりそうは思えない」「まったくそうは思えない」の合算が「いいえ」とした結果。

↑ 自国の議員は一般市民のことを気にかけている(2018年春)
↑ 自国の議員は一般市民のことを気にかけている(2018年春)

全体の中央値は35%が肯定的意見で、61%が否定的意見。概して一般市民からは、議員は一般市民の方を向いていない、気にかけてはいないとの印象にあるようだ。

地域別傾向は見出しにくいが、あえていえばアジアではいくぶん高めに見える。また、南米では低め。しかしむしろそれよりは、経済状況が悪い国ほど低いように見える。肯定的意見が3割以下の国を列挙するとイタリア、スペイン、ギリシャ、ロシア、韓国、チュニジア、アルゼンチン、ブラジルとなり、政情不安定や経済上の問題を抱えている国と多分にだぶっている感はある。

他方、肯定的意見が5割を超えているのはカナダ、オランダ、スウェーデン、インドネシア、フィリピン、ケニア。経済上の問題はともかく、政情不安定といった話はあまり聞かない国が多い。

なお選択肢のうち「まったくそうは思えない」、つまり議員は一般市民のことをまったく気にかけていないと認識している人の割合は次の通り。

↑ 自国の議員は一般市民のことを気にかけている(「まったくそうでは無い」の回答率)(2018年春)
↑ 自国の議員は一般市民のことを気にかけている(「まったくそうでは無い」の回答率)(2018年春)

ギリシャやアルゼンチン、ブラジルで5割を超えている。これらの国では議員が一般市民のことを気にかけず、独善的な政治をしているとの意見が多数を占めていることになる。

もっとも今件は一般市民の視線から見て、議員が自分達の方を向いているかどうかの印象の問題に過ぎない。単純に一般市民が喜びそうな政策ばかりを実行し、向いているように思わせていては、国そのものが破綻したり、国の形が無くなってしまうかもしれない。議員は選挙民の代表には違いないが、同時に国や地方の運営に対する責任を背負っていることになる。一般市民が望む最適解が必ずしも、国や地域そのものの最適解であるとは限らないことに注意が必要である。

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※Many Across the Globe Are Dissatisfied With How Democracy Is Working

おおよその国では2018年3月から5月にかけてRDD方式で選出された18歳以上の1000人前後の人に対し、電話経由によるインタビュー形式で行われたもので、それぞれの国の国勢調査の結果に基づき男女別、年齢、教育、地域などの属性によるウェイトバックが実施されている。一部の国では対面方式による調査方法が用いられている。

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