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米食における中食や外食の増減状況をさぐる(2019年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 外食でも米を主食として食べる機会はあるはずだが。(写真:アフロ)

食品の管理技術の進歩やスーパーやコンビニの取り扱い食品の充実で、中食の機会は増えているとの指摘がある。主食のうち米食に関してその実情を、JC総研が2019年3月に発表した農畜産物の消費行動調査に関する調査(※)の結果報告書から確認する。

今調査対象母集団では、主食として米を食べる機会において、自宅で炊いて食べる炊飯の機会は減り、中食が漸増していた傾向が見受けられた。そして2014年度以降では炊飯が増加に転じ、その分中食や外食が減る動きを示している(直近年度では炊飯は減っているが)。

↑ 1日の主食平均食数(「米が主食」の内訳、回)
↑ 1日の主食平均食数(「米が主食」の内訳、回)

そこでもう少し長い時系列でデータを取得できる「既婚女性」「単身男性」「単身女性」に関し、中食(加工食品…パックごはんや冷凍ピラフ、お餅など)・中食(調理済…弁当、おにぎりなど)・外食の3様式に関し、1週間あたりの食数(要は頻度)の推移を見ていくことにする。

↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、既婚女性、回)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、既婚女性、回)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、単身男性、回)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、単身男性、回)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、単身女性、回)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、単身女性、回)

まず外食。どの属性でもほぼ一様に減少傾向にあった。節約の対象として外食が挙げられ、外食そのものの回数が減らされているとの話があるが、それは本当のようだ。もっとも単身男性は下げ止まりの動きを見せ、既婚女性は増加に転じる流れを示している。外食離れは底打ちをしたようにも見える。

一方中食だが、いくぶんのイレギュラーな動きがあるものの、調理済みのご飯も減る動きを示している。ただし直近年度ではどの属性も前年度比で増えており、傾向の変化を思わせる。また同じ中食でも加工食品は傾向だった動きは見出しにくい。単身男性が増加傾向のように見えたが、直近年度では大きく減少しており、見極めが難しい。

ざっとまとめると主食の米の場合、外食は減少から底打ち、中食の調理済みは大きな変化は無し。米に関する食生活の変化が見える動きではある。

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※農畜産物の消費行動調査に関する調査

直近年度分は2018年10月12日から17日にかけて、全国の既婚女性・既婚男性・単身女性・単身男性に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2009人。男女比はほぼ1対1、年齢階層別構成比は20代以下133人・30代261人・40代344人・50代324人・60代393人・70代以上554人。調査実施機関はインテージ。過去の調査もほぼ同様の条件下で行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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