電気冷蔵庫は何年で買い替えられているのだろうか(2019年版)

↑ 日常生活には欠かせない存在となった冷蔵庫だが、その買い替え年数は。(ペイレスイメージズ/アフロ)

電気冷蔵庫の買い替え年数は13.0年

食品を冷蔵することで長期間保存を可能としたり冷凍で性質を変えたり、さらには製氷機能で涼を提供するなど、今や食生活の維持には欠かせない存在の電気冷蔵庫。何年で買い替えられているのだろうか。内閣府の消費動向調査(※)の結果からその実情を確認する。

今回は電気冷蔵庫の買い替え年数を抽出・精査する。電気冷蔵庫の表記に関して詳しい説明は調査の回答用質問用紙には無い。単に「電気冷蔵庫」とのみ記されている。電気店などでは単身世帯用、あるいは旅館でよく見かける、冷凍庫無しの小型冷蔵庫も多数発売されているが、それも該当する。

世帯区分のうち長期の時期系列による値が保存されているのは二人以上世帯のみ。そこでまずは二人以上世帯における、買い替え年数推移をグラフ化する。

↑ 電気冷蔵庫買い替え年数(二人以上世帯、年)
↑ 電気冷蔵庫買い替え年数(二人以上世帯、年)

やや凸凹感はあるが、全般的には買い替え年数はほぼ10年強で安定し、大きな変移は無い状態が続いていた。「一般家電の買い替えサイクルは10年ぐらい」との話があるが、電気冷蔵庫はその話がほぼ当てはまっていたことになる。昨今では省エネ化、ドアの開閉方向の変更など、多種多様な機能付きの機種が続々登場しているものの、買い替え年数が伸び縮みする動きは無かった。

ところが2017年では大きな伸びを示し13.3年となり、過去最高値を示す形となった。調査方法や設問の変更は無いことから、明らかに冷蔵庫の買い替えに関して変化が起きた流れとなっている。これは先行記事の携帯電話に関する買い換え年数でも生じている現象で、注目に値する動き。直近2019年ではいくぶん短縮してはいるが13.0年と、これまでと比べれば長い年数に違いない結果となっている。

この二人以上世帯における買い替え年数の動向を、単身世帯のそれと重ねてグラフ化したのが次の図。今回は傾向把握のため、データが取得可能な過去14年分まで延長している。

↑ 電気冷蔵庫買い替え年数(世帯種類別、年)
↑ 電気冷蔵庫買い替え年数(世帯種類別、年)

かつては購入意思がそのまま決定に直結できる(他の家族の同意がいらない)、あるいは金銭的に余裕がある単身世帯の方が、買い替え期間が短い傾向が続いていた。これは他のデジタル系アイテムでも当てはまる対象が多い。しかし昨今では単身世帯の方が長くなる年も確認できるなど、両世帯間の差異が縮まってきている。直近の2019年では二人以上世帯の方が長くなってはいるが、差異は0.7年のみ。2009年以降は両世帯種類の差異は1年以内に留まっており、世帯種類による違いはあまり生じなくなったと見た方が適切かもしれない。

電気冷蔵庫を買い替える理由

続いて買い替えをした人における「買い替え理由」を、二人以上世帯・単身世帯それぞれについて聞いた結果。

↑ 電気冷蔵庫買い替え理由(二人以上世帯)
↑ 電気冷蔵庫買い替え理由(二人以上世帯)
↑ 電気冷蔵庫買い替え理由(単身世帯)
↑ 電気冷蔵庫買い替え理由(単身世帯)

結婚などライフスタイルの変更が容易に起きうる単身世帯の方が、「住所変更」による買い替えが多い傾向がある。しかしその分「上位品目」が少なくなっている。二人以上世帯で「上位品目」回答が多いのは、子供の誕生や成長、親の受け入れなど世帯人数・食品消費量の増加で利用機会・量が増加し、今までの冷蔵庫では容量が足りなくなったといった状況が考えられる。

また2009年~2010年度に展開されたエコポイント制度だが、冷蔵庫に関しては2011年3月末購入分まで適用された(エアコンやテレビも同様)。ギリギリで制度を活用した場合、2011年の回答に反映されたことになり、2012年分以降は適用外であることを考えると、単身世帯では2010年~2011年、二人以上世帯では2011年に「上位品目」比率が上昇していることから、同制度は一定の効果があったように見える。

さらに2014年では消費税率改定に伴う駆け込み需要が発生し、単身世帯の「上位品目」と「その他」、二人以上世帯の「その他」にやや大きな増加の影響を与えている。2019年でも似たような動きが見えるのも、やはり消費税率改定(2019年10月予定)に伴うものだろうか。

それらの特異的な動きを除けば、特に大きな動きは無く、買い替え理由は「故障」が多い(双方種類世帯とも故障原因が5割を切ったことは無い)。冷蔵庫は少々の品質向上では買い替えの動機を与えるほどのものでは無く、故障などでようやく買い替えの決断ができる。言葉通り、本当の意味での「耐久財」といえよう。

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※内閣府の消費動向調査

今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービスなどへの支出予定、主要耐久消費財などの保有状況を把握することにより、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的としている調査。調査世帯は、二人以上の世帯、単身世帯毎に三段抽出(市町村・調査単位区・世帯)により選ばれた8400世帯。調査時期は毎月1回で、調査時点は毎月15日。毎月10日前後に調査対象世帯に調査票が届くよう郵送し、毎月20日頃までに届いた調査票を集計する。なお2018年10月からは郵送・オンライン併用調査法を導入している。

毎月調査を実施しているが年1回、3月分において、他の月よりは細部にわたる内容を調査している。その中の項目の一つ「主要耐久消費財の買い替え状況」を今件精査では用いている。これは「対象品目を回答年度(今回の場合は2018年4月~2019年3月)に買い替えをしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果。つまり直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。もちろん新規に購入した場合や、買い替えが該当時期で無かった場合は回答に加わらない。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。