カラーテレビは何年で買い替えられているのだろうか(2019年版)

↑ 日常生活には欠かせない存在のカラーテレビ。その買い替え年数は。(写真:アフロ)

カラーテレビの買い替え年数は10年足らず

数年前には地デジ化で大きな買い替え需要が生まれたが、新機種の発売、故障や引っ越しなどでもカラーテレビの買い替えの機会は生じる。それではカラーテレビは平均で何年ほどで買い替えされているのか。内閣府の消費動向調査(※)の結果から確認する。

買い替え状況における2014年以降の消費動向調査の調査票では「カラーテレビ 薄型(液晶、プラズマなど)」と記述されている。2013年までは単に「カラーテレビ」だったため、買い替え対象にはブラウン管・薄型テレビ双方を含んでいたことになる。地デジ化も果たし、実質的にブラウン管テレビの販売もほぼ終了したとの意向によるものだが、2013年と2014年との間に完全な連続性は無いことに注意する必要がある(とはいえ、今更ブラウン管テレビ「に」買い替える人も滅多にいないだろう)。

世帯区分は単身世帯と二人以上世帯、そして双方を合算した総世帯の3つが用意されている。ところが長期時期系列としてデータが保存されているのは二人以上世帯のみ。そこで二人以上世帯について、買い替え年数推移を長期期間の範囲でグラフ化する。

 ↑ カラーテレビ買い替え年数(二人以上世帯、年)
↑ カラーテレビ買い替え年数(二人以上世帯、年)

中期的な動向を見るとテレビの買い替え年数は9年前後で安定。しかし2010年以降は毎年少しずつ、確実に年数が短縮されている動きを示していた。2011年7月の地デジ化に伴い、チューナーで地デジ対応化したテレビを使っていても、調子が悪くなったり故障などをきっかけとして「安くなっていることもあるし、せっかくだからこの際、修理をせずに対応機種に買い替えるか」とする動きが起きた結果によるものだろう。

2014年にいたっては、取得できるデータ中ではもっとも短い6.3年を示した。これは一つに地デジ化による移行、そしてもう一つに2014年4月からの消費税率改定に伴い、それに先駆けて駆け込み的に、従来の買い替え期間よりも前倒しでテレビを新規調達した、いわゆる「駆け込み需要」によるものと考えられる。

しかしその2014年がピークとなり、以降は少しずつ年数は元の長さに戻りつつある。2015年では地デジ関連の仕様変更の後遺症的なもの(アナログからデジタルへの移行時における特例措置として、ケーブルテレビ事業者が提供してきた経過措置的サービスのデジアナ変換サービスが2015年3月前後に相次ぎ終了する。CATVのテレビ受信サービスに加入していれば、デジタル対応のテレビで無くともそのままテレビ視聴ができる状況が終わってしまうため、デジタル対応のテレビを調達するかチューナーを接続しないとテレビ視聴が続けられなくなる)が生じているため、平年よりは短めの7.4年との値が計上されたが、直近の2019年では9.7年にまで戻した。ちなみにデータが取得可能な1997年以降の全年における平均値は9.1年、直近5年間に限れば8.8年となっている。

これを単身世帯(記録があるのは2008年以降のみ)の動向と重ね、グラフ化したのが次の図。

↑ カラーテレビ買い替え年数(世帯種類別、年)
↑ カラーテレビ買い替え年数(世帯種類別、年)

2010年にややイレギュラーな動きがあり、それまでの二人以上世帯>単身世帯との流れが消え、双方世帯種類でほとんど変わらない値を示すようになった。地デジ化におけるテレビ買い替えへの圧力は、世帯構成で違いを見せなかったようだ。また上記で言及した「地デジ化に伴うテレビ買い替え年数の短縮化」そして「消費税率改定に伴う駆け込み需要による短縮化」は、世帯構成によらずに起きているのも分かる。

テレビを買い替える理由は何だろうか

次に示すのは「買い替え理由」を二人以上世帯・単身世帯それぞれ別途に算出したグラフ。いくつかの年で特殊事情による変移が確認でき、興味深い。

↑ カラーテレビ買い替え理由(二人以上世帯)
↑ カラーテレビ買い替え理由(二人以上世帯)
↑ カラーテレビ買い替え理由(単身世帯)
↑ カラーテレビ買い替え理由(単身世帯)

双方世帯種類とも「その他」項目の増加のピークは2012年。これは回答時の該当期日である2011年4月~2012年3月の間に、2011年7月の地デジ切り替えに伴い対応型のテレビへと買い替える人が、大量に現れたことを意味する。翌年の2013年(対象期間は2012年4月~2013年3月)では、地デジ化ラッシュも過ぎ、従来の比率に戻る動きを見せた。しかし2014年では上記解説の通り、2014年4月からの消費税率改定に伴う駆け込み需要が発生し、回答中「その他」の回答率が単身世帯では増加する結果となった。

直近の2019年では二人以上世帯・単身世帯双方で「上位品目」の比率がいくぶん増加している。故障や引っ越しなど必要性に迫られてでは無く、テレビの存在価値の向上や金銭的余裕ができたがための動きだろうか。

特に単身世帯ではここ数年「上位品目」が漸増している。特にテレビの必要性が高い、高齢単身世帯におけるテレビの高級化、例えば4Kや有機ELなどのハイスペックな機種への流れが数字となって表れたのだろう。

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※内閣府の消費動向調査

今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービスなどへの支出予定、主要耐久消費財などの保有状況を把握することにより、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的としている調査。調査世帯は、二人以上の世帯、単身世帯毎に三段抽出(市町村・調査単位区・世帯)により選ばれた8400世帯。調査時期は毎月1回で、調査時点は毎月15日。毎月10日前後に調査対象世帯に調査票が届くよう郵送し、毎月20日頃までに届いた調査票を集計する。なお2018年10月からは郵送・オンライン併用調査法を導入している。

毎月調査を実施しているが年1回、3月分において、他の月よりは細部にわたる内容を調査している。その中の項目の一つ「主要耐久消費財の買い替え状況」を今件精査では用いている。これは「対象品目を回答年度(今回の場合は2018年4月~2019年3月)に買い替えをしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果。つまり直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。もちろん新規に購入した場合や、買い替えが該当時期で無かった場合は回答に加わらない。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。