都道府県別に一般労働者の平均賃金をさぐる(2019年公開版)

↑ 賃金は地域によってどれだけの違いが生じているのか。(ペイレスイメージズ/アフロ)

賃金は労働内容や成果、勤続年数、就業形態など多様な条件によって違いを見せる。その一要素として地域別の差異がある事も否定できない。周辺環境の違いや物価、取引市場との位置関係により、他の条件が同じにもかかわらず、場所によって賃金水準が異なる事例はよくある話。今回は厚生労働省が2019年3月に発表した、賃金関連の情報を調査集積した結果「賃金構造基本統計調査」の最新版報告書から、賃金とほぼ等しい所定内給与(基本給に家族手当などを足したもの)の都道府県別動向を確認する。

今件の対象はフルタイム労働者を指す一般労働者。フルタイムならば契約社員や派遣社員も該当する。ただしパートやアルバイトは一般労働者では無く短時間労働者なので、対象外となる。

次に示すのは男性における所定内給与額の平均値。

↑ 所定内給与額(一般労働者、男性、都道府県別、千円)(2018年)
↑ 所定内給与額(一般労働者、男性、都道府県別、千円)(2018年)
↑ 所定内給与額(一般労働者、男性、上位・下位地域、都道府県別、千円)(2018年)
↑ 所定内給与額(一般労働者、男性、上位・下位地域、都道府県別、千円)(2018年)

都道府県一覧のグラフからも東京の値が群を抜いているのが一目で分かる。平均賃金は42万300円で、唯一の40万円台。次いで高値としては神奈川の36万6300円、大阪の36万3800円が続く。他方、低い順では青森が26万1800円でもっとも低く、次いで宮崎の26万5000円、秋田の26万5400円。

地域別傾向は見出し難いが、人口密集地帯は比較的高い賃金が支払われている感はある。無論その地域の物価水準や公共料金まで勘案しないと、賃金面からの住みやすさは評価し難いのだが。

続いて同様のグラフを女性に関しても生成する。

↑ 所定内給与額(一般労働者、女性、都道府県別、千円)(2018年)
↑ 所定内給与額(一般労働者、女性、都道府県別、千円)(2018年)
↑ 所定内給与額(一般労働者、女性、上位・下位地域、都道府県別、千円)(2018年)
↑ 所定内給与額(一般労働者、女性、上位・下位地域、都道府県別、千円)(2018年)

金額そのものは男性と比べるといくぶん低いが、上位陣の動向は男性とさほど変わらない。東京が群を抜いており、次いで神奈川、大阪など、関東や阪神地域といった人口密集地帯が高い値を示している。

他方、低い地域は少々事情が異なり、もっとも下の額面を示したのは宮崎の19万8300円。次いで秋田、山形、岩手と続く。人口が少なめな地域であることに変わりは無いが、その順位には男性とは少なからぬ違いが生じているのは興味深い。男女で就業する業種の比率などが多分に影響しているのだろう。

地域による賃金格差が生じているのは事実。しかし今件はあくまでも一般労働者全体の平均値でしか無く、業種や企業規模でも小さからぬ差異が生じる。例えば県境そばに住んでいる人が就業先を選ぶ際に、ほんの数キロ隔てた県境を越えると、賃金が押し並べて大きな違いを見せるわけでは無い。あくまでも全般的な指針のようなものだとして見るのが無難だろう。

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