男性全体で2.6%、若年層は4.1%…年齢階層別の完全失業率の現状と推移(2019年公開版)

↑ 完全失業率の内情は。労働力調査の結果から詳細を確認。(ペイレスイメージズ/アフロ)

経済情勢や雇用市場動向を推し量る指標の一つである完全失業率は、年齢階層別ではどのような動向を示しているのか。その現状と推移を、労働力調査の結果を基に確認していく。

完全失業率とは労働力人口に占める完全失業者の割合。算出式は次の通りとなる。

「完全失業率」=「完全失業者」÷「労働力人口」

完全失業者には含まれない「仕事はしたいが求職活動はしなかった」人は算出考慮外となるため、失業の実情を反映していないとの意見もあるが、一方で「求職活動をしない人を失業状態と計上してよいのか」との話もある。ともあれ、完全失業率はILOの国際基準にも従った、正当な値には違いない。

それではまず男性から、全体、そして年齢階層別の完全失業率を算出する。

↑ 完全失業率(男性)
↑ 完全失業率(男性)
↑ 完全失業率(男性、年齢階層別)
↑ 完全失業率(男性、年齢階層別)
↑ 完全失業率(男性、年齢階層別)(2018年)
↑ 完全失業率(男性、年齢階層別)(2018年)

完全失業率は漸増していくが、バブル景気時代には一時的に減少、その後バブルの崩壊とともに再び上昇に転じ、さらに上昇幅を拡大する。意外にもITバブル(日本では1999年から2000年)においても減少はせず、ITバブル崩壊時に最大値を示す。その後は下がり、直近の金融危機直前までは下落傾向を続けるも、2007年の金融危機ぼっ発とともに上昇に転じ、震災の前年2010年に直近ピーク(5.4%)をつけ、その後は漸減していく。

年齢階層別ではバブル期までは最若年層(15~24歳)と定年退職直前期層(55~64歳)がほぼ同率で推移していた。前者は新規採用にあぶれるなどのパターン、後者は早期退職組(自主、会社都合)によるもの。ところがバブル期を経て両者の差は開き、最若年層の完全失業率は他年齢階層との差を大きなものとしていく。若年層の高失業率は先進国、特に労働市場が成熟した国でよく起きる現状だが、日本もまたそれに習う結果が出ている。直近では55~64歳層の値がやや高めだが、これは再就職希望組が条件に見合う就職先を見つけられない事例が少なからずあるのが原因だろう。あるいは高望みとの解釈もできよう。

バブル期の減退、バブル崩壊後の上昇、ITバブルとその崩壊や、金融危機に伴う上昇などは全体値の動向とさほど変わらないものの、年齢階層によって振幅に違いが生じている。特に若年層は景気動向の影響を大きく受けやすいことが分かる。

続いて女性。

↑ 完全失業率(女性)
↑ 完全失業率(女性)
↑ 完全失業率(女性、年齢階層別)
↑ 完全失業率(女性、年齢階層別)
↑ 完全失業率(女性、年齢階層別)(2018年)
↑ 完全失業率(女性、年齢階層別)(2018年)

景気動向による上下感、ITバブル崩壊時に最大値をつけたことは男性とあまり変わりが無い。ただし女性は男性と比べて労働力人口そのものが少なく、特に高齢層でそれが顕著なこと、完全失業者も含め労働力調査の結果は万人単位での公開となるためぶれが出ることから、65歳以上のグラフがやや不自然な形となってしまっている。また男性と比べると最若年層とそれより年上の層との差異が小さい。最若年層の完全失業率がややひかえめなのが原因。

男女とも景気動向に左右される部分があり、そして男女の雇用状況の違いも出ているが、前世紀ではおおよそ完全失業率は漸増し、今世紀に入ってからは高止まり、そして最近では下落傾向を見せ始めている。今後はいかなる動きを示していくのか。景気を推し量る値でもあるだけに、特に若年層の値の動向は、最近とみに語られるようになった年齢階層間の格差を示すことからも、大いに注目したいところではある。

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