電気代・ガス代の家計への負担の実情をさぐる(2019年時点最新版)

↑ 電気代が跳ね上がるとメーターの動きも気になるもの。(ペイレスイメージズ/アフロ)

東日本大震災をきっかけに日常生活で消費する電気に対する意識は小さからぬ変化を見せている。電気代やガス代の世帯単位での家計への負担の実情を、総務省統計局の家計調査の結果から確認する。

次に示すのは家計調査で月次データが取得可能な二人以上世帯における、月あたりの電気代やガス代の推移を金額そのものと前年同月比で示したグラフ。これらの値は調査世帯が電気料金を実際に支払った日(の月)の電気使用量や電気代の変移であり、実際の電力使用とは一か月ずれが生じていることに注意してほしい。例えば夏真っ盛りの8月に消費した電力分の代金は、翌月の9月に計上される。

↑ 電気代・ガス代(二人以上世帯、月次、円)
↑ 電気代・ガス代(二人以上世帯、月次、円)
↑ 電気代・ガス代の前年同月比(二人以上世帯)
↑ 電気代・ガス代の前年同月比(二人以上世帯)

まず金額の推移だが、ガス代は年1回ピーク、電気代は年2回ピークが生じている。それぞれ2月、2月(大)と8月(小)で生じており、電気・ガスともに冬の暖房で大きく消費されること、夏は電気による冷房でも消費されるが冬の暖房ほどでは無いことが分かる。なお夏のピークが9月(8月消費分)では無く8月(7月消費分)なのは、8月も後半に入ると涼しさを覚える日が増えることや、お盆休みなどで家を空ける機会も多分にあるからだと考えられる。

2011年の夏は大規模な節電(電力使用制限令も発令されている)により、電力使用量が大きく減少。結果として電気代も安く済んでいる。2012年に入ってからはプラス圏での推移機会が多くなり、2013年6月以降はおおよそプラス圏で高い水準を維持したままの状態が続いている。電気代金の値上げに伴い、電力使用量が減ってなお支払分が前年同月と比べて高くなったからに他ならない。

ガス代はともかく電気代は2012年に入ってから、少なくとも2013年の夏以降は家計毎の出費が増えている、負担が大きくなっていた時期があったことが分かる。その負担増が生じていたのをよりリアルに実感できるのが次のグラフ。これは各世帯の消費支出(世帯を維持していくのに必要な支出。食料費や住居費、光熱費など)に占める電気代やガス代の割合の推移を示したもの。

グラフの形状からも分かる通り、電気もガスも毎年2月支払、つまり1月利用時分がもっとも高い、つまり大量に使うことになる(多分に暖房によるところが大きいと考えられる)。ちなみに電気代の小さな山は夏の使用増大に伴うもの。なお現時点では2018年12月分までしかデータが公開されていないため、2019年のピークになると思われる2019年2月分は当然グラフ上には反映されていない。

↑ 電気代・ガス代の対消費支出比率(二人以上世帯)
↑ 電気代・ガス代の対消費支出比率(二人以上世帯)

電気代で毎年ピークとなる2月の比率を数字で明記したが、震災前は4.4%、4.7%。震災以降は4.8%・4.9%、そして5.4%、さらに5.8%と、確実に増加をしていたのが分かる。特に2014年2月は直近の大幅値上げのあおりを受け、前年同月と比べて0.5%ポイントも増えている。それだけ電気代が家計に大きな負担となっているわけだ。

他方2015年夏からは資源価格の下落などを受けて電気代やガス代は下落に転じており、それに伴い対消費支出比率も減少。2016年のピークとなる2月は5.2%と、前年同月と比べて0.6%ポイントも減る形となった。そしてその次の2017年2月はさらに落ちて4.9%。しかし電気代平均単価が上昇している2017年夏以降の影響を受け、2018年2月は5.4%となり、0.5%ポイントもの上昇となっている。

ちなみにガスは変化が無かったように見えるが、震災前は2.8%、震災後は2.9%・2.9%・3.0%・3.1%。電気代と比べれば緩やかだが、こちらも確実に増加を続けていた。ところが2016年2月は2.6%、2017年2月は2.4%。むしろ震災以前よりも値を減らしており、ガス代の下落は電気代以上の負担減をもたらしていることが分かる。2018年2月時点では2.6%となり、前年同月の2.4%からの上昇幅も限定的なものとなっている。

電気やガスを使わずに今の生活水準を維持することは困難。節電・ガスの節約の工夫も震災を経て数年経過し、かなり実行されているはずで、これ以上の消費量の節制は難しい。単価、さらには支払い金額が原油価格の動向に左右されがちなのは仕方が無いが、無駄なく賢い利用を心掛けたいものだ。

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