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アメリカ合衆国の子供達はソーシャルメディアの利用時にポジティブな思いを抱くことが多い

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ アメリカ合衆国の子供達はソーシャルメディア利用時にどんな思いを抱いているか。(写真:アフロ)

意思表現のハードルが低いソーシャルメディアでは、個人の感情が表に出やすいことから、他人とのつながりを身近に感じることができる一方で、人の内面に触れてしまったり、強い感情に接して不快な経験をすることもある。人生経験がまだ十分で無い子供達はどのような感情を抱きながらソーシャルメディアに接しているのだろうか。アメリカ合衆国の実情について、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年11月に発表した調査報告書「Teens' Social Media Habits and Experiences」(※)の内容から確認する。

アメリカ合衆国でソーシャルメディアを利用している子供達は、おおよそソーシャルメディアを利用することで、デメリットよりもメリットを多く享受していると認識している。

↑ ソーシャルメディアのよい点と悪い点に同意する人の割合(アメリカ合衆国、13~17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)
↑ ソーシャルメディアのよい点と悪い点に同意する人の割合(アメリカ合衆国、13~17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)

それではその子供達は、ソーシャルメディア利用時にどのような感情を抱いているだろうか。相反する2つの感情・心境を表現する言葉を提示し、自分の思いに近い方を選んでもらった結果が次のグラフ。「分からない・無回答」のケースもあるので、必ずしも両選択肢の合計が100%になるとは限らない。

↑ ソーシャルメディアを利用するとどのような感情を抱くか(アメリカ合衆国、13~17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)
↑ ソーシャルメディアを利用するとどのような感情を抱くか(アメリカ合衆国、13~17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)

多人数との触れ合いを体感できる観点で、拒絶感を覚えるか一体感を認識するかでは、一体感を挙げる人は74%、拒絶感は26%。内容について不確かだと考える人は27%に留まり、確からしいと考える人は72%。偽物を多く感じる人は34%だが本物が多いと思う人は66%。よそよそしさを覚える人は36%だが、社交性に富んだ状況だと感じる人は63%。

あくまでも二択のうちどちらか一方を選んでもらったまでの話で、実情はケースバイケースで強度も異なるものだろうが、おおよその人はソーシャルメディアの利用の際にポジティブな感情を抱いていることになる。利用している場がよいものなのか、単に利用している人が清純で疑いを知らないのか、あるいは本当にソーシャルメディア全体がこの印象通りなのかまでは、今調査の限りでは確認はできないのだが。

報告書では属性別の傾向について「興味深いことにこれらの動向に関して、属性上の違いはほとんどない。男女別を問わず、同様にポジティブな思いが強い状態でソーシャルメディアを利用している」とだけ言及している。

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※Teens' Social Media Habits and Experiences

2018年3月7日から4月10日にかけてアメリカ合衆国に在住する13~17歳の男女に対してインターネット経由および電話による通話で実施されたもので、有効回答数は743人。国勢調査などの結果に基づきウェイトバックが行われている。なおソーシャルメディアの利用者は720人。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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