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米豪尼比は好印象、しかし韓国は嫌悪…諸外国の日本への印象をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 日本は他国からどのように思われているのだろうか。(写真:アフロ)

日本が他国からどのような印象を持たれているかは気になる話。アメリカ合衆国、オーストラリア、インドネシア、フィリピン、韓国からの日本への印象の実情を、アメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerの調査「Despite Rising Economic Confidence, Japanese See Best Days Behind Them and Say Children Face a Bleak Future」(※)の結果報告書を基に確認する。

次に示すのは対象国の人達に対し、日本にどのような印象を持っているかについて「強い好印象」「好印象」(以上好印象派)「悪印象」「強い悪印象」(以上悪印象派)の中から回答者自身の心境に一番近いものを選んでもらった結果。

↑ 日本の印象(2018年)
↑ 日本の印象(2018年)

好印象派の値はフィリピンがもっとも高く83%、次いでオーストラリアの81%、アメリカ合衆国とインドネシアの68%が続く。アメリカ合衆国とインドネシアがやや低めに出ているのは、その他・非回答者が多く圧迫しているからに他ならない。

他方、韓国では「強い好印象」が3%に留まり、「好印象」も32%、合わせて好印象派は35%でしかない。今回の調査対象国となった5か国では唯一、悪印象派の方が高い結果が出ている。

報告書で一部伝えている属性別動向だが、韓国では50歳以上では好印象派は28%でしか無いが18~29歳では47%に達しているとのこと。また、アメリカ合衆国やオーストラリア、インドネシアでは高世帯所得者の方が低世帯所得者よりも好印象の値が高いと伝えている。

それでは現在の日本の行政府のトップである安倍総理に対し、これらの国はいかなる印象を抱いているのか。世界の安定と正しい方向への歩みに貢献していると思うか否かについて尋ねた結果が次のグラフ。参考値として日本人自身に尋ねた結果も併記しておく。

↑ 日本の安倍総理は世界の安定と正しい方向への歩みに貢献していると思うか(2018年)
↑ 日本の安倍総理は世界の安定と正しい方向への歩みに貢献していると思うか(2018年)

日本そのものの印象に関する質問同様、フィリピンの肯定的な意見が高い値で出ており、オーストラリア、アメリカ合衆国がそれに続く。インドネシアがやや低い値に留まっているが、これもやはりその他・非回答の値が高く他の具体的選択肢の回答率を圧迫しているため。日本自身は肯定的な意見・否定的な意見双方がほぼ拮抗しているのが興味深い。

他方韓国は印象に関する質問以上に肯定派の値が低く、否定派が高い結果が出ている。強い否定を意味する「まったくそう思わない」の選択肢だけで半数近い49%、「あまりそう思わない」まで含めると88%となる。肯定的な意見は1割しかない。よほど日本にネガティブな思いを抱いているに違いない。

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※Despite Rising Economic Confidence, Japanese See Best Days Behind Them and Say Children Face a Bleak Future

直近年分の調査は2018年5月24日から6月19日にかけて、RDD(固定電話40%、携帯電話60%)で選択された18歳以上の日本在住の人に対し、通話によるインタビュー形式で行われたもので、有効回答数は1016人。国勢調査の結果を基にウェイトバックがかけられている。なお過去の調査も同様の条件で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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