「固定電話離れ」は55.9%が同意…20代の「離れ」自覚と「お金をかけたい」対象の実情をさぐる
若年層自身は「若者の●×離れ」に関して、いかなる対象で自覚しているのか。そして好みに合うものや必要性があれば、積極的にお金をかけたい、近づきたいと考えているのか。20代の実情をSMBCコンシューマーファイナンスが2018年12月に発表した調査「20代の金銭感覚についての意識調査2018」(※)の結果を基に確認する。
次に示すのは、20代の回答者自身が日頃から「●×離れ」していると感じるもの。世間一般の認識やよく見聞きするものでは無く、あくまでも回答時点における本人の自覚によるものであることに注意。
もっとも多くの人が同意を示したのは「固定電話」。55.9%の人が同意を示している。デスクワークをしている人なら固定電話の利用機会は多々あるはずだが、それでも自分の日常生活においては積極的に使っていない、以前と比べて距離を置いているとの認識を持つ人が過半数に達している。
「ゴルフ」「合コン」「スキー」「職場の飲み会」など、昔ならば他人とのコミュニケーションを取る上での社会人のたしなみ、生活様式として欠かせない存在的なポジションにあったものがずらりと並んでいる。また、「新聞・雑誌」「CD」「自動車」「お酒」のような、個人のプライベートの上で必須と思われていたものからも、距離感を覚えている人が多い。
他方、自分が気に入ったものや必要性があれば、積極的にお金をかけたい、つまり距離を縮めていきたいと感じるものは次の通り。
もっとも多くの人の同意を得られたのは「旅行」で45.0%。次いで「友人との飲み会」「自動車」「マイホーム」「映画」「パソコン」などが続く。若年層らしい趣味の対象も多いが、よく見直すと最初の「離れている、距離を置いている」ものと同じようなものが複数並んでいるのが分かる。
例えば「自動車」「ブランド」「CD」「お酒」はそのまま同じ。「友人との飲み会」も対象こそ違えど「職場の飲み会」とは飲み会との観点で一致する。つまりこれらの項目に関しては、若年層は現状の実情に問題があるので距離を置いているだけであり、自分達の需要にマッチした商品やサービスが提供されれば、積極的にお金を支払いたいと認識していることになる。
今調査の報告書ではこの傾向について自動車を例に挙げ、「若者がクルマから離れているのではなく、若者が欲しいクルマがないことが、若者の“クルマ離れ”の原因なのではないでしょうか」とまとめている。関係業界には耳の痛い話には違いない。
■関連記事:
※20代の金銭感覚についての意識調査2018
2018年10月2日から3日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の区切りで均等割り当て。未婚者756人、既婚者244人。調査協力機関はネットエイジア。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。