インターネットでニュースを見る時に使う機器の実情をさぐる
・インターネットでニュースを見る人の8割強がスマートフォンや従来型携帯電話で見ている(2018年度)。
・インターネットでニュースを見る人の大部分はスマートフォンや従来型携帯電話、タブレット型端末のようなモバイルのみで見ている。パソコンのみは少数派。
・全体比では18~19歳の7割近くはモバイルのみでインターネットのニュースを見ている。
今や誰もが手軽にインターネットを使ってニュースを閲覧できる時代となった。それではインターネットでニュースを読んでいる人は、どのような機器を利用しているのだろうか。新聞通信調査会が2018年11月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果を基に確認する。
今調査対象母集団においてインターネットを用いてニュース(と回答者が認識できる情報)を取得している人は全体で66.5%、「毎日」の閲覧頻度で限れば39.4%に達している。その人たちに、インターネットでニュースを見る際にどのような機器を用いているのかに関し、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。
スマートフォンあるいは従来型携帯電話を用いている人が86.0%で最上位。ほとんどがスマートフォンであることは容易に想像ができるが、今調査では分離した形での問い合わせをしていないため、実情は不明。次いでパソコンが39.7%、タブレット型端末が12.7%。「その他」は家庭用ゲーム機やスマートテレビだろう。
今件の使用機器を「モバイル(従来型携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末)のみ」「パソコンとモバイル」「パソコンのみ」に区分した上で、男女・年齢階層別に確認したのが次のグラフ。あくまでもインターネットニュースを読んでいる人、つまり少なくともインターネットを利用している人に限定した回答率であることに注意。
モバイルの利用率は男性よりも女性が高く、パソコンは男性の方が高い。それぞれ日常生活・就業時の利用傾向がそのまま反映されている。
年齢階層別では、全層がインターネットニュースを見るのはモバイルのみの人がもっとも多い。70歳以上ですら、パソコンのみの割合を上回っている。おおよそ年が上になるほどパソコンとモバイルの併用やパソコンのみの人の割合は増えていくが、モバイルのみの人を超えることはない。いかにインターネットニュースとモバイルの相性がよいかが改めて認識できる。特に18~19歳では8割以上がモバイルのみで、パソコンを使ってインターネットニュースを読んでいるとの回答者が皆無なのには、驚きを覚える人もいるに違いない。
これをインターネットニュースの利用者では無く、全体比を算出した結果が次のグラフ。それぞれの機器の普及率も反映されたもので(該当端末を利用する立場に無ければ、当然インターネットニュースを見ることはできない)、利用実態を把握するのにはこちらの方が分かりやすいかもしれない。
全体比でも18歳から40代までは過半数がインターネットニュースをモバイルのみで見ている。パソコン使用者(パソコンのみとモバイルとの併用者の合算)は一番多い40代でも37.2%に留まっている。パソコンとの併用も合わせたモバイル利用者では、20~30代は9割を超え、7割超えなら18歳から50代以下となる。モバイルの利用者におけるインターネットニュースを見る頻度までは分からないものの、端末の利用傾向からは、決して低い頻度では無いことは容易に推測できる。インターネットニュースにおけるモバイルの利用実情として、大いに注目すべき結果には違いない。
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※メディアに関する世論調査
直近分となる第11回は2018年8月17日から9月4日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3135人。有効回答者の属性は男性1462人・女性1673人、18~19歳70人・20代299人・30代377人・40代553人・50代500人・60代589人・70代以上747人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。
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