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SNSか新聞社公式サイトか…インターネットを使ってニュースはどこで見るのだろうか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ インターネットでニュースを見よう、ではどこのサイトで見ようか?(写真:アフロ)

・インターネットでニュースを見る時にアクセスするサイトのトップはポータルサイト。8割強の人が利用(2018年度)。

・高齢層では新聞社などのサイトの利用が増えるが、それでも2割近くまで。

・18~19歳と20代ではポータルサイトよりもSNSでニュースを見る人が多い。

多くの人達がインターネット経由でニュースを見ている。それではその人達は具体的にどのようなサイトで、インターネットを用いてニュースを見ているのだろうか。新聞通信調査会が2018年11月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果を基に確認する。

今調査対象母集団では2/3近くが頻度は問わず、そして毎日ならば4割近くがインターネット経由でニュースを閲覧している。

↑ インターネットニュースの閲覧頻度
↑ インターネットニュースの閲覧頻度

それではこのインターネットニュースの閲覧者は、どのようなルートでニュースを取得しているのだろうか。おおよそ想定できる選択肢「ポータルサイト」「SNS(ソーシャルメディア)」「新聞社・通信社・テレビ放送局の公式サイト」「キュレーションサイト」と、それ以外をまとめて「その他」で提示し、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。なお「キュレーションサイト」は2018年度から選択肢に加わっている。

↑ インターネットニュースを見る時、アクセスするサイト(複数回答、該当者限定)
↑ インターネットニュースを見る時、アクセスするサイト(複数回答、該当者限定)

直近2018年度では検索エンジンなどのポータルサイトに掲載されている、新聞社や通信社などから配信のニュースを見ている人がもっとも多く84.6%。次いでLINEやTwitter、FacebookのようなSNS(「SNS」の言葉の意味として厳密にはLINEは該当しないが、広義では該当し、今件調査でもSNSとして扱っている)で見ているとの人が31.5%。新聞社や通信社、テレビ放送局のような従来型の報道メディアが直接提供しているインターネット上のニュースを見ている人は14.1%。スマートニュースやグノシー、News Picksのようなキュレーションサイトで見ている人は11.1%。その他、例えば個人サイトや個別商品・サービスなどの企業サイト、プレスリリース集約サイトなどでニュースを確認する人は1.7%に限られている。ポータルサイトを利用する人がこれだけ多数に上るのは、そのサイト自身の信頼性に加え、多サイトを巡ること無く一か所でまとめて確認できる利便性によるところが大きい。個別の専門店にそれぞれ足を運ぶより、何でもそろうコンビニやスーパーでまとめ買いするようなもの。

「その他」以外について直近年度分を、回答者の属性別で区分したのが次のグラフ。

↑ インターネットニュースを見る時、アクセスするサイト(複数回答、該当者限定、属性別)(2018年度)
↑ インターネットニュースを見る時、アクセスするサイト(複数回答、該当者限定、属性別)(2018年度)

高齢層における、新聞やテレビのような従来型メディア好き、権威を好む傾向は、インターネットニュースの取得元にも反映されている。結局配信元が異なるのみで中身は同じ内容であることが多いものの、ポータルサイトやSNSでは無く新聞社やテレビ放送局などそれぞれの、そしてリアルな媒体と密接につながりのあるサイトでチェックをする傾向があるようだ。50代以降では新聞社・通信社・テレビ放送局の公式サイトを用いる人が2割近くに達している。一方で今件はポータルサイトそのものの機能における利用傾向では無いものの、30代以降では8割以上がポータルサイトを使っているのは興味深い。

SNSがインターネットにおけるニュース取得の手段として有用な認識をされている実情もつかみ取れる。特に若年層では多くの人が利用しており、18~19歳と20代に至ってはポータルサイト以上の利用率が確認できる。SNS単体で取得できるニュースは見出しや概要のみのものが多いが、それで十分と考える、割り切る人が多いのだろう。

あるいは元々SNSからインターネットの利用に入り、その中でニュースも見るようになっただけ、つまり最初から「インターネットでニュースを見る」とは、SNSで閲覧するような概要のみのニュースを見るものが常識との理解をしているのかもしれない。

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※メディアに関する世論調査

直近分となる第11回は2018年8月17日から9月4日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3135人。有効回答者の属性は男性1462人・女性1673人、18~19歳70人・20代299人・30代377人・40代553人・50代500人・60代589人・70代以上747人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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