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自宅にテレビがある人は95.9%

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ テレビは現在もなお最大のメディアツール。(ペイレスイメージズ/アフロ)

インターネットの登場でメディアのパワーバランスは大きな変化を迎えたが、それでも利用ハードルの低さや影響力、いわゆるメディア力の観点で、今なおテレビ放送が最大の影響力を有していることに違いはない。今回は総務省が2018年7月に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の公開値を基に、テレビ放送を受信し閲覧する主なツールとなる、テレビ受像機の浸透状況を確認する。

次に示すのはテレビ受像機の所有状況。自宅にある・無しを回答者に答えてもらい、ある場合には回答者自身が利用しているか、それとも利用していないか、無い場合には自宅に欲しいか、いらないかを答えてもらっている。単純にある無しの回答だけでなく、ある場合には利用状況を、無い場合には所有希望の有無まで尋ねることで、細かいテレビ受像機の需要を精査できる。なお今件はあくまでもテレビ受像機に限定されており、パソコンや携帯電話のワンセグ機能などは該当しない。

まずは自宅にある人の状況。

↑ テレビ受像機所有状況(自宅)(2017年)
↑ テレビ受像機所有状況(自宅)(2017年)

回答者が世帯主とは限らないため、世帯主を対象とする他の調査とはいくぶん異なる動きを示しているが、おおよそどの回答者も自宅にテレビはあると答えている。またテレビはあるが観ていない人はごく少数。

属性別の違いを見ると、ほぼ誤差の範囲の動きしかないが、かろうじて低年収ほど所有率が低いような動きが確認できる。また10~20代はいくぶん低いようだ。

逆にテレビが自宅に無い人はどのような心境を抱いているのだろうか。普通のテレビ関連の調査では得難い状況の確認ができる。

↑ テレビ受像機所有状況(自宅、「無い」)(2017年)
↑ テレビ受像機所有状況(自宅、「無い」)(2017年)

テレビ受像機所有率が一番低いのは、属性別では年収200万円未満の人。ただしその大部分はテレビ受像機そのものを必要としていない。また年収200~400万円未満の人や10~20代も比較的非所有率が高いが、大部分は必要ないとの認識。非所有者において、欲しいとの意見が欲しくないを上回っているのは各属性の区切りでは皆無となっている。現時点でテレビ受像機を持っていない人は、受像機そのものを必要としていない、欲しいが何らかの理由で手に入らないわけでは無いことが分かる。

とはいえ、属性別で最大の非保有率ですら7.8%。テレビ受像器が最大のマスメディアツールであることに違いはなさそうだ。

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※平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2017年11月11日から17日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳から69歳の1500サンプルを対象としたもの。アンケートと日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。グラフ・本文中の表記の「10代」は、厳密には13~19歳を意味する。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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