外飲みか家のみか飲酒はダメか…会社員の「仕事後の一杯」の実情をさぐる
・仕事が終わった後の飲みの傾向は、男性では5割足らずが外飲み・1/3近くが家飲み・2割強がお酒を飲まない、女性は1/3強が外飲み、3割強が家飲み、3割強がお酒を飲まない(2018年)。
・外に飲みに行く人の飲みの回数は男性では月2.3回、女性は月2.2回。
・家飲みにかかる飲み代は大体外飲みの半分程度。
男性会社員の家飲みは4割強
会社員にとって昼食時間とともに数少ない憩いの時間が「居酒屋などでの飲み」。ちょっとした料理の味を楽しみながら、日頃の疲れをお酒でいやす、息抜きとして多くの人が堪能している。一方、最近ではお酒や料理を自宅で用意し、居酒屋的な気分を自宅で味わう「家飲み」も注目されるようになった。今回は新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」(※)の最新版をもとに、経験している人は多いものの、全体的な状況は把握しにくい、会社員の飲み事情を確認する。
まずは仕事が終わった後の息抜き、娯楽としてのお酒の飲み傾向について。居酒屋などでの外飲みをするか、外飲みはしないが家飲みをするか、そもそもお酒は飲まないか、この3つの選択肢から1つを選んでもらっている(実際には外飲み・家飲みの双方のパターンの人もいるだろうが、その場合は多い方を選んでもらっているとの認識でよいだろう)。全体としては男性は4割強が外飲み・1/3近くが家飲み・2割強がお酒を飲まない、女性は1/3強が外飲み、3割強が家飲み、3割強がお酒を飲まないとの結果に落ち着いた。
男性は年齢階層別では若年層ほど外飲みが多く、年上となるに連れて家飲みが増えていく。家飲みが増えるのは、配偶者とともに飲む時間を大切にしているのかもしれない。また若年層の酒離れ的な言い回しも聞かれるが、今件調査の限りではそのような動きは見られない。「酒は飲まない」の値が年齢階層別で傾向だった動きをしているようには見えない。
女性は若年層ほど外飲みが多くなるのは男性と同じだが、家飲みが増えてくると表現するのにはややばらつきがある。外飲みが年上ほど減るのは金銭的問題に加え、未既婚の違いが影響しているものと考えられる。会社員であっても既婚の女性が外飲みをすることに、懸念を示す配偶者も少なからずいるのだろう。
外飲みの回数と金額と
今調査では外飲みをしている人に限り、その回数の集計も行っている。実際に外飲みをしている人には自分との差異をチェックし、多いか少ないか、比較のための参考値となるだろう。
男性は20代では多いものの30代で大きく減少、そしてそれ以降は年を重ねるに連れて回数が増えていく。30代から40代はこづかいが少ない傾向があるが、それが影響しているのかもしれない。また、女性は20代では男性より多く、30代で同等、40代以降は少なくなる傾向があるが、自発的かあるいは誘われてか、その立ち位置も多分に影響を与えている雰囲気ではある。
飲み代に関しては外飲みは男性は20代で高め、30代で大きく落ちてそれ以降は年とともに増加、家飲みは20代がもっとも低く、30代以降は少々高くなるがほぼ一定基準を維持。女性は外飲みでは30代がやや低く、それ以外は大よそ同じ。家飲みは法則性の類は無し。
家飲みでは相手とのやりとりや気兼ねなどを考えず、純粋に自分の好みで料理や酒を選べること、安上がりでお気軽に楽しむのを一義的にしていることから、年齢階層別の金額における法則性が見出しにくいのだろう。男性20代で低めなのは、一人飲みが多いからだろうか。
年齢階層別で差異はあるが、男女を問わず家飲みは外飲みの大よそ半分の額で済むことになる。居酒屋などの料理、雰囲気を楽しみたいのなら話は別だが、純粋にお酒や小料理を堪能し、一息つきたいだけなら、家飲みを選択する人が増えるのも道理ではある。
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※サラリーマンのお小遣い調査
直近年分となる2018年分は2018年4月12日から16日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2713人。男女会社員(正社員・契約社員・派遣社員)に加え、男女パート・アルバイト就業者も含む。公開資料では多くを占める会社員は男性1252人・女性791人。年齢階層別構成比は20代から50代まで10歳区切りでほぼ均等割り当て(実社員数をもとにしたウェイトバックはかけられていないので、全体値では社会の実情と比べて偏りを示している場合がある)。未婚・既婚比は男性が40.0対60.0、女性は59.9対40.1。今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけでは無いことに注意。
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