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年齢で大きな違いが生じる子供のお好みキャラクター

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ テレビで好きになることが多いキャラクター。年齢や男女別でどのような違いが。(ペイレスイメージズ/アフロ)

・実質的に0~12歳対象の調査結果では2018年でもっとも好きなキャラクターとして挙げられたのは「それいけ!アンパンマン」。次いで「ドラえもん」。

・男子では「それいけ!アンパンマン」が0~2歳と3~5歳で上位トップ3入り。特に0~2歳では31.0%の支持率。

・女子では0~2歳では「それいけ!アンパンマン」がトップだが、3~5歳と6~8歳では「プリキュアシリーズ」がトップに。9~12歳では「すみっコぐらし」がトップ。

子供が好むアニメや漫画、ゲームのキャラクターは、その時代の流行りすたりに大きな影響を受け、またその人気ぶりは多方面に影響を与える。コンビニやファストフード店で見られる関連商品やキャンペーンの展開では、今はどのような子供向けのキャラクターが流行っているのかを推し量ることができる。それでは子供達の間では、どのようなキャラクターが注目を集めているのか。バンダイが2018年6月に発表した、子供における人気キャラクターに関する調査「お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査」(※)の結果報告書から、その実情を確認する。

今件調査では総合で「それいけ!アンパンマン」、次点で「ドラえもん」が、子供達から人気のあるキャラクターとして位置付けられているとの結果が出ている。

↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合、択一回答、上位陣)(2018年)
↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合、択一回答、上位陣)(2018年)

これについて子供の年齢・男女別に細分化した上で、上位陣動向を見たのが次以降のグラフ。まずは男子。比較がしやすいよう、縦軸の区切りの長さは男女で統一している。

↑ もっとも好きなキャラクター(男子)(2018年)
↑ もっとも好きなキャラクター(男子)(2018年)

総合では第2位についた「ドラえもん」は6~8歳と9~12歳でトップに。その力強さが再確認できる。また総合トップの「それいけ!アンパンマン」は男子では「ドラえもん」の支持層より年下の層で人気を集めていることが分かる。特に0~2歳からは3割超えと圧倒的な支持率が特徴的。

プロジェクトそのものは2015年から展開されているものの、テレビアニメが始まったのは2018年に入ってからの「新幹線変形ロボ シンカリオン」が、3~5歳で第3位に入っているのは注目に値する。また「仮面ライダーシリーズ」が3~5歳ではトップ、6~8歳でも第2位についているのは、男子らしさの表れであるとともに、テレビで放送されているキャラクターの強さが再認識できる。

次いで女子。

↑ もっとも好きなキャラクター(2018年)(女子)
↑ もっとも好きなキャラクター(2018年)(女子)

0~2歳の「それいけ!アンパンマン」の人気ぶりは男子と変わらない。この男女変わらずの人気が、今回年で総合トップとなった原動力であることは間違いない。また「ドラえもん」も0~2歳と6~8歳で上位についており、総合の上位陣は男女を問わず好かれているのが特徴の一つであるようだ。

3歳以降になるとアイドル系・女の子にとっての憧れ系ともいえる「プリキュアシリーズ」「アナと雪の女王」「ディズニープリンセス」が上位に顔を見せる。また、可愛らしさがポイントの「すみっコぐらし」は男子では見受けられなかったが、女子では6~8歳と9~12歳の層で好まれているのが分かる。他方「名探偵コナン」は男子同様女子でも、9-12歳で上位に顔を見せている。謎解きやストーリー性の魅力は男女共通のようである。今回総合トップ10では初登場となった「ミニオン」だが、主に9-12歳の女子から好かれているようである。

今件はあくまでも各年齢階層のトップ3(第3位が同率の場合は4キャラクター)に限られるが、「それいけ!アンパンマン」の低年齢層における圧倒的な支持、女子における「アナと雪の女王」の根強い人気や、それも含めてアイドル系・憧れ系キャラクターの人気動向がある程度つかみ取れる。また、男女で好みの傾向に違いがあり、それぞれ一定の傾向を持つこと、また「それいけ!アンパンマン」「ドラえもん」「名探偵コナン」のように男女の差を超えて支持される作品があるのは、注目に値すると言えよう。

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※お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査

2018年5月11日から13日にかけて、0歳から12歳の子供を持つ人(子供と一緒に回答できる人)にインターネット経由で「子供の意見を入力できるような状況で」答えてもらったもので、有効回答数は800人。子供の年齢(0~2歳・3~5歳・6~8歳・9~12歳)と男女別で均等割り当て。調査協力はクロス・マーケティング。同様の調査は毎年実施しているが、2012年以前は様式が異なるため比較対象にはならない。また2013年から2016年までは長子のみが対象だったが、2017年からは長子に限定せずに回答を精査対象としている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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