都道府県別タブレット型端末の利用率をさぐる

↑ ノート感覚で使えるタブレット型端末。その利用率は地域で差が生じているのか。(写真:アフロ)

・タブレット型端末によるインターネット利用率は18.8%(2017年)。

・タブレット型端末によるインターネット利用率は、東京を中心とした関東圏、大阪府などの近畿圏、福岡県などの九州北部圏など、人口密集地帯や都市地域で比較的高い値を示している。

・タブレット型端末によるインターネット利用率が低いのは、人口比率で高齢層が多い地域。北日本の地域が多いのも特徴的。

昨今のインターネットの動向において、ハード面ではスマートフォンとタブレット型端末に熱い視線がそそがれている。今回は注目対象のうちタブレット型端末について、都道府県別のインターネット利用率の現状を総務省が2018年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に確認していく。

次に示すのは各都道府県別のタブレット型端末によるインターネット利用率。例えば北海道では17.9%との値が出ているが、これは調査対象母集団(6歳以上)の北海道在住者全体のうち17.9%が、タブレット型端末でインターネットを利用していることを意味する。北海道に住むインターネット利用者のうち17.9%では無い。

↑ タブレット型端末によるインターネット利用率(都道府県別)(2017年)
↑ タブレット型端末によるインターネット利用率(都道府県別)(2017年)

スマートフォンの都道府県別普及状況同様、東京を中心とした関東圏、大阪府などの近畿圏、福岡県などの九州北部圏など、人口密集地帯・都市地域で比較的高い値を示している。一方で、それ以外の地域のうち、人口が比較的少なめな都道府県では値が低く抑えられている感はある。特に北日本では少なめな感は強い。

都道府県別に区切り分けしても、3割はまだ超えていないものの、多くの地域では2割前後の値を示している。かつてタブレット型端末といえば「iPad」のみが知られ、半ば以上「タブレット型端末」イコール「iPad」であり、高級サブマシン的な存在として認知されていた。そして外で実際に使っている様子を目に留めた際には、ついレアなアイテムを見つけたかのような、好奇心のまなざしを向けてしまっていたものだ。そのような状況からは、大きな変化が生じていることに違いは無い。

上記グラフは各都道府県の動向を知るのには役立つ。しかし数字の上での上位陣・下位陣を探すのには少々難儀する。そこで並べ替えをした上で、上位・下位陣のものを別途生成した。

↑ タブレット型端末によるインターネット利用率(上位陣、都道府県別)(2017年)
↑ タブレット型端末によるインターネット利用率(上位陣、都道府県別)(2017年)
↑ タブレット型端末によるインターネット利用率(下位陣、都道府県別)(2017年)
↑ タブレット型端末によるインターネット利用率(下位陣、都道府県別)(2017年)

最上位は京都府の27.1%、次いで埼玉県の26.8%、東京都の25.2%、福井県の23.6%。多くは人口が多い地域。京都府がトップについているのは意外ではある。一方、下位(縦軸の仕切りはあえて上位グラフと揃えている)は青森県の11.7%が最下位で、鹿児島県、そして茨城県や和歌山県など、どちらかといえば人口比率で高齢層が多い地域が名前を連ねている。また北日本の地域が多いのも特徴的。さらにはスマートフォンによるインターネット利用率が低い地域とも共通する部分が多い。

タブレット型端末の所有・利用は年齢属性との関係が深いことから、このような傾向が生じるのも十分理解はできる。一方で、タブレット型端末の利用傾向としては、子供の玩具として保護者から貸し与えられる事例が多いが、今件データでは子供の比率の多少との相関・因果関係までは確認できない。もう少し子供におけるタブレット型端末の利用性向が大きな値になれば、具体的な地域別での連動性の動きも見えてくるだろうか。

機動性や必要性、利用ハードルや価格の違いから、タブレット型端末はスマートフォンほどの加速感で普及しているわけでは無い。直近の2017年分のデータを精査する限りでは、スマートフォンの浸透率が低い幼少児や一部のシニア層において、多少ながらも他の年齢階層と比べると高い値が見受けられる。スマートフォンのようにはっきりとした形で「人口密集地帯=若年層比率が高いエリア」ほど高利用率との結果が出ないのも、この特性によるものと思われる。

タブレット型端末の普及率上昇は、特に屋内系でのインターネットアクセスの機動性の向上に加え、電子書籍の普及にも一役買うことになる。日本でもアメリカ合衆国同様の高い普及率(4割以上のとの調査結果もある)を果たし、電子書籍関連の市場発展に寄与してほしいものだ。

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※通信利用動向調査

2017年分は2017年11月~12月に世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に、企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に対し、郵送による調査票の配布および回収の形式によって行われている(企業向けは一部オンラインでも実施)。有効回答数はそれぞれ1万6117世帯(4万1752人)、2592企業。調査票のうち約8割は回収率向上のために調査事項を限定した簡易調査票が用いられている。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。過去もほぼ同様の条件下で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。