20代世帯では5.2%…固定電話の保有状況をさぐる

↑ 職場ならまだしも家庭ではあまり見かけなくなった固定電話。普及の現状は。(写真:アフロ)

・固定電話の世帯ベースでの保有率は71.0%。20代の世帯主の世帯では5.2%(2017年)。

・世帯主が70代後半以降では固定電話の保有率は9割を超える。

・世帯構成別では高齢者がいる世帯では固定電話の保有率が高い。

固定電話の世帯保有率、全体では7割台

携帯電話の高性能化と普及が進むに連れ、一般の世帯において電話の利用スタイルは世帯単位から個人単位へと変わり、固定電話の必要性はこれまでに無いほどに減少している。若年層では実家を離れ一人暮らし・独立世帯化する際に、固定電話の契約をしない事例も増えている。それでは現状として、固定電話は一般世帯ではどの程度の保有状況なのか。総務省が2018年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に、日本における世帯ベースでの固定電話の保有(利用)状況を確認する。

携帯電話の普及とともに、固定電話の加入者数や契約者数は漸次減少している。この傾向は変わるところが無い。

↑ IP電話利用数・固定電話加入者数・携帯電話加入者数の推移(万件、万契約)(~2016年度末)(積上げ)(情報通信白書より筆者作成)
↑ IP電話利用数・固定電話加入者数・携帯電話加入者数の推移(万件、万契約)(~2016年度末)(積上げ)(情報通信白書より筆者作成)

今調査対象母集団では世帯全体の保有(普及)率は71.0%。前年2016年時点の値72.7%からは1.7%ポイント減少している。全世帯のうち3割近くは「固定電話無し」。

↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、世帯主年齢階層別)(2017年)
↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、世帯主年齢階層別)(2017年)

特に20代から30代の若年層世帯主での世帯において、低い比率なのが目に留まる。無論これらの層で「電話離れ」が進んでいるのでは無く、「固定電話離れ」が進んでいるだけであることに注意が必要。携帯電話があれば、固定電話の必要性は低くなる。さらに個人主義・個別主義が浸透する昨今では、世帯ベースの電話連絡先の必然性が低くなっている。そして世帯人数の減少、一人身世帯の増加もそれに拍車をかけている。

属性別の実情

固定電話の保有状況を世帯構成と世帯年収別に見たのが次のグラフ。

↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、属性別)(2017年)
↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、属性別)(2017年)

高齢者がいる世帯では高く、若年層のみで構成された世帯は低い値を示している(大人3人以上の場合は若夫婦+高齢層の構成であることは容易に想像ができる)。また、世帯年収別では大よそ高年収ほど高い傾向を示しているが、これは単純に「高年収ほど固定電話が必要」では無く、「高年収世帯は世帯主の年齢が高め」「世帯主の年齢が高い世帯ほど、固定電話の需要が大きい」「よって高年収世帯ほど固定電話がよく使われている」といった、三段論法的な理由によるものと考えられる。

スマートフォンを含めた携帯電話も、使わずにホルダーに固定するなり、充電している限りにおいては、固定電話とほぼ同じ利用スタイルとなる。その視点で考えると、携帯電話を多用しているのなら、固定電話は特に必要無しとする考えが、誰もが頭に浮かぶはず。

業務用としての必要性も考慮すると、固定電話が無くなることは無いだろう。しかし一般向けとしての固定電話から携帯電話への置き換えの動きは、今後さらに進むことは確実と言えよう。

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※通信利用動向調査

2017年分は2017年11月~12月に世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に、企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に対し、郵送による調査票の配布および回収の形式によって行われている(企業向けは一部オンラインでも実施)。有効回答数はそれぞれ1万6117世帯(4万1752人)、2592企業。調査票のうち約8割は回収率向上のために調査事項を限定した簡易調査票が用いられている。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。過去もほぼ同様の条件下で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。