通勤の友の実情をさぐる

↑ 通勤中にスマートフォンでアクセス。当たり前のように見かける情景。(ペイレスイメージズ/アフロ)

・通勤者のうち通勤時にスマートフォンやパソコンなどを使っている人は男性6.7%、女性3.7%(2016年)。

・男性は20代後半で「コンピューターの使用」が33.6%と極めて高い値。

・女性は「コンピューターの使用」が若年層全般にわたって一定の値を計上している。20代から30代は通勤者の1割前後が、通勤時にスマートフォンなどを使っている。

自宅と職場との行き来を通勤と呼ぶが、その移動手段としてはバスや鉄道のような公共交通機関が多い。この際の同時行動の実態に関して、総務省統計局の社会生活基本調査(※)の結果から確認する。

最初に示すのは通勤時に同時行動(いわゆる「ながら行動」)として何をしているかについて、代表的な行動内容をいくつか挙げ、その行動者率を確認したもの。通勤をしている人に対する割合となる。またバスや鉄道のような公共交通機関の利用以外に、徒歩や自転車、バイクや自動車などによる通勤のスタイルもあることに留意をしておく必要がある(例えば自動車通勤ならばスマートフォンの操作や新聞・雑誌の閲読はほぼ不可能)。なお「コンピューターの使用」とはパソコンだけで無くスマートフォンや従来型携帯電話、タブレット型端末などを用いたインターネットの使用も含まれている。

↑ 通勤時の同時行動者率(2016年、15歳以上全体、平日)
↑ 通勤時の同時行動者率(2016年、15歳以上全体、平日)

「コンピューターの使用」がもっとも多く、男性では6.7%、女性は3.7%。似たような行動の「電子メールなどによる交際・付き合い」も合せればそれぞれ6.9%、4.1%となる。「新聞・雑誌」は男性0.8%、女性0.1%。想像以上に少ないかもしれないが、これは前述の通り鉄道やバスに限らず、全通勤者を対象としたものであるのが原因(鉄道やバスの通勤者に限ったデータは無い)。

また男性と比べて女性の値が低めなのは、女性の就業形態としては自宅近所の職場でのパートやアルバイトが多く、公共交通機関を使って通勤する人の割合が低いからだと考えられる。

ともあれ現状では通勤の友的な存在は、新聞や雑誌、書籍よりもコンピューター、恐らくはその大部分はスマートフォンであろうことが改めて確認できる。

これを年齢階層別に見たのが次のグラフ。まずは男性。

↑ 通勤時の同時行動者率(2016年、年齢階層別、男性、平日)
↑ 通勤時の同時行動者率(2016年、年齢階層別、男性、平日)

まず男性だが、20代後半は「コンピューターの使用」が33.6%とずば抜けて高い値を示している。20代後半の約1/3は通勤時にスマートフォンなどを使用している計算になる。30代から40代までは1割前後、50代でも4%前後が使っている。「新聞・雑誌」は30代後半でやや伸びるが、あとは50代前半で最大値の3.1%を示す程度。

次いで女性。

↑ 通勤時の同時行動者率(2016年、年齢階層別、女性、平日)
↑ 通勤時の同時行動者率(2016年、年齢階層別、女性、平日)

男性と比べて値そのものは低いが、「コンピューターの使用」が若年層全般にわたって一定の値を計上している。20代から30代は通勤者の1割前後が、通勤時にスマートフォンなどを使っていることになる。他方、「CD・音声ファイル」も若年層を中心によく使われている。

「新聞・雑誌」は押しなべて低め。「読書」も男性と比べると低い。通勤スタイルそのものの違いが反映されている。

今件調査は2016年に実施されたため、スマートフォンの普及が進んでいる現状では、「コンピューターの使用」の値はさらに大きな値となっていることだろう。次の調査は2021年となるが、その時にはどこまで値が伸びるのだろうか。

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※社会生活基本調査

5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更を加えたものです。