主な音楽を聴く機会はYouTubeが最上位

↑ 音楽を聴く機会はどこにでもあるものだが…。(ペイレスイメージズ/アフロ)

・主に音楽を聴取する手段としてもっとも多くの人が挙げたのはYouTubeで61.6%(2017年)。

・次いで音楽CD、テレビ、音楽CDからコピーした楽曲ファイルが続く。

・2017年の前年比ではテレビが大きく伸び、YouTubeや、音楽DVD・BD、ダウンロード型有料音楽配信、定額制有料音楽配信、インターネットテレビも大きな増加。ニコニコ動画は大きな落ち込み。

さまざまな音が紡がれて完成する「音楽」を耳にする機会はどこにでも存在する。それでは音楽を能動的に聴く手段はどのような認識をされているのだろうか。どの手段がもっともよく使われているのだろうか。日本レコード協会が2018年4月に発表した「音楽メディアユーザー実態調査」(※)の最新版の結果を基に、その実状を確認する。

次に示すのは調査対象母集団において主な音楽の聴取手段とされるルート。日々の生活の中では音楽と接触する場面、機会は多々あるが、今件は回答者が能動的に「音楽を聴きたい」との意志の下で利用する手段であり、無意識のうちに耳に入ってくる機会とは少々意を異にする。テーマソングを聴くために商店街に足を運ぶ人はいないが、音楽が聴きたいためにカーラジオのスイッチを入れる人はいる。

なお今件の設問は「主な」であり、回答者がその手段のみを音楽聴取に用いているわけでは無いことに注意が必要。よく使う手段を問われて想像できるものを複数回答で答えている。なお「コンサート・ライブなどの生演奏」における「(単数)」「(複数)」とはアーティスト数を意味する。

↑ 主な音楽聴取手段(2017年、複数回答)
↑ 主な音楽聴取手段(2017年、複数回答)

最上位はYouTube。6割強の人が「音楽を聴きたい時には主にYouTubeを使う」と答えている。本来は動画共有のサービスサイトではあるが、今や音楽の聴取場としても幅広い認識を集めている。実際、新曲のプロモーションの場としてもYouTubeは大いにその効用を発揮している。

次いで多いのは物理メディアでは最上位となる音楽CD。これは直接購入したもの以外にレンタルCD、他人から借り受けたものも含む。似たような回答に音楽CDからコピーした楽曲ファイルが第4位に入っているが、これは聴きたい対象の曲は同じで、聴くメディアが異なるだけの話。実質的に機動性に高いスマートフォンや携帯音楽再生プレイヤーで聴くためだけに、音楽CDを購入し、データ化したらCDそのものはお蔵入りとの使い方をする人も少なくあるまい。

第3位はテレビ。5割近くの人が主な音楽聴取ルートとしてテレビを思い描いている。同じ4マスとしてのAM・FMラジオは第5位で1/4程度。テレビを観ている人、ラジオを聴いている人は自然に音楽も耳に入るが、あくまでも今件は「音楽を聴く目的でスイッチを入れていると自認している人」に限られる。

YouTubeと比較されることが多いニコニコ動画は11.8%、ダウンロード型の有料音楽配信サービスは19.6%、そしてYouTubeやニコニコ動画以外の無料動画配信サイトは11.1%。インターネットラジオは12.2%。大きな差異は無い。

前年に実施された同様の調査結果との差異を算出したのが次のグラフ。

↑ 主な音楽聴取手段(2017年、複数回答、前年比、ppt)
↑ 主な音楽聴取手段(2017年、複数回答、前年比、ppt)

1%ぐらいまでの振れ幅は誤差の範囲とも解釈できるが、大よその項目で前年から増加しており、音楽を聴く手段が多様化していることがうかがえる。特にテレビが大きく増えるとともに、YouTubeや、音楽DVD・BD、ダウンロード型有料音楽配信、定額制有料音楽配信、インターネットテレビが勢いよく伸びているのが目に留まる。他方、ニコニコ動画は大きな落ち込みを示しており、無料動画配信サイト(YouTubeやニコニコ動画以外)とともに、音楽聴取の手段としての無料動画配信サイトの一極化がうかがい知れる。

今件調査がインターネット経由であるのも一因だが、「音楽を聴く」との認識で使っている手段として、すでに物理メディアがデジタルサービスに抜かれている現状は、興味深い話に違いない。また、体験型音楽聴取手段とも表現できるコンサートやライブなどの生演奏が、少なからぬ人にとって「主な音楽の聴取手段」と認識されている点にも、大いに注目すべきだろう。

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※音楽メディアユーザー実態調査

直近分は2017年8月に12歳から69歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1952人。男女別・年齢階層・地域別(都市部とそれ以外でさらに等分)でほぼ均等割り当ての上、2010年度の国勢調査結果をもとにウェイトバックを実施している。また設問の多くは過去半年間を対象に答えてもらっているため、2017年1月から6月時の動向が反映されていることになる。過去の年の調査もほぼ同じ条件で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)pptとは%ポイントを意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更を加えたものです。