60年あまりにわたる実収入と非消費支出、可処分所得の推移をさぐる

↑ 家計単位でのお金の出入りの実情は?(ペイレスイメージズ/アフロ)

・二人以上世帯のうち勤労者世帯(人口5万人以上の市)の実収入は戦後少しずつ増加、バブル期に向けて大きな増加幅に。前世紀末にピークを迎え、後は横ばいから減少。ここ数年はようやく増加の気配。

・実収入の最高額は1997年の59万4038円、可処分所得は1998年の49万8422円。

・直近年となる2017年の可処分所得は43万8543円で前年比3689円のプラス。

社会環境の変化や医療技術の進歩、人口構成比の変化に伴い、可処分所得や社会保険料の負担度合いが大きく変化しているとの指摘がある。今回は総務省統計局の家計調査(※)の公開値を基に、実収入と非消費支出、可処分所得の推移を確認する。

次に示すのは実収入と非消費支出、可処分所得の推移。なお実額であり、消費者物価は配慮されていないことに注意。

↑ 実収入と非消費支出・可処分所得の推移(月額)(円)(二人以上世帯のうち勤労者世帯(人口5万人以上の市)(2007年までは農林漁家世帯を除く))(~2017年)
↑ 実収入と非消費支出・可処分所得の推移(月額)(円)(二人以上世帯のうち勤労者世帯(人口5万人以上の市)(2007年までは農林漁家世帯を除く))(~2017年)
↑ 実収入と非消費支出・可処分所得の推移(月額)(円)(二人以上世帯のうち勤労者世帯(人口5万人以上の市)(2007年までは農林漁家世帯を除く))(2001年~)
↑ 実収入と非消費支出・可処分所得の推移(月額)(円)(二人以上世帯のうち勤労者世帯(人口5万人以上の市)(2007年までは農林漁家世帯を除く))(2001年~)

戦後少しずつ増加を見せた実収入だが、バブル期に向かって上昇幅を拡大、一時緩やかになるが再び大きな増加を示し、バブルの崩壊後は減少せずにほぼ横ばいを維持。実収入の最高額はITバブル期に向けて景況感が回復しつつあった1997年の59万4038円、可処分所得は1998年の49万8422円となる。それ以降は緩やかな下落を示しているが、デフレ期の突入時期とほぼ一致しているのが興味深い。むしろデフレに突入したからこそ、実収入も減っていると見た方が道理は通る。

直近年となる2017年の可処分所得は43万8543円で前年比3689円のプラス。今世紀初頭の2001年における46万7353円と比べると2万8810円のマイナスとなる。

■関連記事:

日本は1990年代からデフレへ…日米中のGDP推移を詳しく見ていく

消費税と税収の関係をグラフ化してみる

日本の国民負担率の詳細推移をグラフ化してみる

※家計調査

今回精査対象としたのは、実収入や可処分所得、社会保険料が長期的に継続取得可能な対象となる、二人以上世帯のうち勤労者世帯(人口5万人以上の市)。原則として各年における平均月額を精査対象としている。2007年までは農林漁家世帯を除き、2008年以降は加えているため厳密な連続性は無いが(2008年の値がいくぶん不規則となっている)、2008年の時点で農林漁家世帯が占める比率は0.4%に留まっているため、誤差範囲内として解釈する。

「実収入」は「非消費支出(税金や社会保険料)」と「可処分所得」(自由に使えるお金)に分けられる。具体的な支出・収入の関係は次の通り。

・(実)収入……世帯主の収入(月収+ボーナス臨時収入)+配偶者収入など

・支出……消費支出(世帯を維持していくために必要な支出)

     +非消費支出(税金・社会保険料など。直接税+社会保険料)

     +黒字分(投資や貯金など)

       (※可処分所得=消費支出+黒字分)

なお勤労者世帯は世帯主が会社、官公庁、学校、工場、商店などに勤めている世帯を指す。役員や個人経営者、自由業者、無職(年金生活者など)などは該当しない。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。