落ち続けるメディアへの信頼度、その実情をさぐる

↑ 新聞へ寄せられる信頼の度合いは…(ペイレスイメージズ/アフロ)

・各メディアへの信頼度は下落。直近年度では新聞などで下げ止まりか。

・メディアへの信頼感は下落していると考える人は多い。

・信頼感の下落は民放テレビと雑誌で大きなものとなっている。

新聞通信調査会が2018年1月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)によれば、NHKテレビや新聞、民放テレビなど主要メディアの信頼度は下落を続けている。人々は信頼感の下落を強く覚えているようだ。

主要情報配信メディアに対する信頼度(それぞれのメディアの情報をどの程度信頼しているかについて、「全面的に信頼…100点」「全く信頼していない…0点」「普通…50点」の基準で点数をつけてもらった結果)は漸減する傾向にある。新聞に関しては直近年度は前年度と比べて0.1ポイント上昇、NHKテレビは0.2ポイント上昇し、ようやく直近年度で下げ止まったようではあるが、他のメディア同様に中長期的に見れば減退傾向にあることは否定できない。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(経年推移)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(経年推移)

そこで質問時における過去1年間において、各メディアに対して信頼感は変化したのか否かを尋ねた結果が次のグラフ。直近5年分の結果を併せて反映させている。また「上昇」から「下落」の値を引いたDI値を算出し、その値のみの動きもグラフ化した。プラスならば上昇と考えた人が多く、マイナスならば下落と考えた人が多い。それぞれの方向の絶対値が大きいほど、その思いが強いことになる。

↑ 各メディアへの信頼感は変化したか(前年度と比べて)
↑ 各メディアへの信頼感は変化したか(前年度と比べて)
↑ 各メディアへの信頼感DI(高くなった-低くなった)
↑ 各メディアへの信頼感DI(高くなった-低くなった)

信頼感の上下度合いは回答者それぞれで一概には言えないが、大よそ「上昇」が「下落」より多ければ信頼感は上昇し(DI値はプラス)、逆なら下落(DI値はマイナス)と見ることができる。その観点で結果をチェックすると、全メディアで信頼感は減少していることになる。何しろDI値のグラフでゼロを超える値が存在しないのだから。

メディア毎の動向を見ると、特に民放テレビと雑誌において、「下落」が「上昇」を大きく上回る結果が出ている。信頼感が損なわれた、失望した人が多かった次第。直近年度では雑誌のDI値がマイナス14.8%、民放テレビがマイナス11.1%との結果が出ており、信頼感が大きく損なわれていることが確認できる。またこの両メディアは少なくともこの5年間、大きなマイナス幅を計上し続けており、信頼感の著しい下落ぶりが継続していることがうかがえる。

NHKテレビでは2015年度に大きな下落の回答率を計上し、DI値も大きなマイナス幅となった。これは例えば2015年4月末における報道番組「クローズアップ現代」に関するやらせ問題で、総務省からの行政指導文書の受け取りを一時的ながらもNHK側が拒否したことをはじめ、国内外の事案に係わる誤報や不祥事的な報道や、その事案に対する姿勢への問題がいくつか思い起こされる。その後はいくぶんながらもDI値のマイナス幅を縮小しているが、それ以前の信頼感の回復までにはいまだに至っていないことが分かる。

新聞のDI値におけるマイナス幅は年々縮小していたが、直近年度では再び拡大。2014年度に生じた大幅下落の影響は継続中。2014年度の急落は、いうまでも無く朝日新聞における誤報・捏造・誤報に対する再精査への意図的な無作為による放置の数々が取りざたされたことである。直接その事案による不信感は時の流れとともに薄れつつあるが、一向に改善しない体質に、信頼感のDI値をプラスに押し上げるまでの環境は期待できそうにも無い。

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※メディアに関する世論調査

直近分となる第10回は2017年11月2日から11月21日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3169人。有効回答者の属性は男性1526人・女性1643人、18~19歳63人・20代274人・30代422人・40代567人・50代504人・60代601人・70代以上738人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。