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一般道路でのシートベルトの着用率ナンバーワンの地域をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 後部座席でもシートベルトは忘れずに。(ペイレスイメージズ/アフロ)

・一般道路での運転者のシートベルト着用率は岩手県・島根県・長崎県がトップで99.7%。

・後部座席では群馬県がトップだがそれでも57.2%。

・後部座席のシートベルト着用率は西日本ほど低いように見える。

JAF(社団法人日本自動車連盟)と警察庁は2017年12月14日、自家用乗用車などの利用者を対象に同年10月に実施した「シートベルト着用状況全国調査」の結果を発表した。それによると一般道路での運転者の着用率は98.6%、高速道路などでは99.5%と高い割合だったのに対し、後部座席はそれぞれ36.4%・74.4%だった。

↑ シートベルト着用状況全国調査(2017年)によるシートベルト着用率
↑ シートベルト着用状況全国調査(2017年)によるシートベルト着用率

これを一般道路について都道府県別に精査し直したのが、次以降のグラフ。まずは運転者自身の着用率。元々どの地域でも着用率が高いこともあり、グラフの区切りにおける最低値が92%となった。

↑ 都道府県別・シートベルト着用率(一般道路)(2017年)(運転者)
↑ 都道府県別・シートベルト着用率(一般道路)(2017年)(運転者)

着用率が最も高いのは岩手県・島根県・長崎県の99.7%、次いで山形県の99.6%、奈良県・宮崎県の99.4%が続く。一方、もっとも低いのは大阪府の95.1%、次いで沖縄県の95.9%。0.数%ポイントの差異は誤差と見てもよいレベルだが、最上位と最下位の地域との間には4.6%ポイントもの差が出ている。今回最上位の岩手県・島根県は前年でも第2位(両県同率)、長崎県は前年ではトップに位置しており、上位の地域が単年による偶発的な着用率の多い・少ない状態にあったわけでは無く、地域的傾向による結果であることがうかがえる。

続いて助手席。利用状況を想定すれば分かる通り、着用率そのものは運転者とさほど変わらない、はずなのだが、実態としては運転者よりも低めの値が出ている。

↑ 都道府県別・シートベルト着用率(一般道路)(2017年)(助手席)
↑ 都道府県別・シートベルト着用率(一般道路)(2017年)(助手席)

トップの着用率を誇るのは岩手県で98.3%。同県は運転者の着用率も99.7%でトップを示しており、非常に優秀な県であることが分かる。続く宮城県は97.8%で、こちらも運転者の着用率は99.4%と極めて高い。助手席の着用率上位陣は、運転者のそれと連動性が高いことが確認できる。

他方、低着用率は沖縄県の86.7%をはじめ、大阪府の89.1%、山口県の92.6%など。運転者の着用率も低い場所が多く、高着用率の場所同様に「運転者と助手席との間における、着用率の相関関係」がある程度は存在していることが認識できる。

最後に後部座席。全体的に値が低いこともあり、グラフ横軸の区切りの最低値がゼロとなっていることに注意。

↑ 都道府県別・シートベルト着用率(一般道路)(2017年)(後部座席)
↑ 都道府県別・シートベルト着用率(一般道路)(2017年)(後部座席)

最良値は群馬県の57.2%、次いで長野県の52.4%、岐阜県の50.2%、福島県の50.0%。今年は4県が5割超えとなった(前年は該当地域は皆無)。最悪値は福井県の14.8%、次いで佐賀県の15.1%など。12地域では後部座席のシートベルト着用率が3割を切っている状況にある。

運転者・助手席と後部座席のシートベルト着用率の関連性は一部で連動性があるように見えるが、運転者と助手席との間のような比較的はっきりしたものは見受けられない。一方で地域性としては、西日本ほど着用率が低く、東日本ほど高い傾向があるようにも見える。これは昨年から継続して見られる動きで、さまざまな要因による結果として、傾向のようなものが出ているのかもしれない。

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(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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