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1万円の支払いならクレジットカード利用は43.9%…20代の支払い手段事情をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 便利なクレジットカードでのお買い物。20代の利用状況は(ペイレスイメージズ/アフロ)

お金は価値の概念であり、確実に受け渡しできるのならば、現金に限らず電子マネーやクレジットカードでも構わない。いまどきの20代はいかなる手段を用いて支払いをしているのだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2017年12月に発表した調査「20代の金銭感覚についての意識調査2017」(※)の結果を基に確認する。

次に示すのは提示された額面以下で買い物をする際に、どの支払い方法を選ぶかを尋ねた結果。例えば1000円では現金が66.0%とあるので、1000円以下の買い物をする場合、現金で支払うと答えた人が約2/3いることになる。実際には金額だけでなく買い物をする場所によっても支払い方法は左右されるが、普段の支払い感覚で答えてもらっている。

↑ 指定額面以下の金額の買い物で選ぶ支払方法は(2017年、択一)
↑ 指定額面以下の金額の買い物で選ぶ支払方法は(2017年、択一)

支払額が少額の場合は現金が多いが電子マネーもそれなりに多くの人が用いている。少額でのやり取りをする店ではクレジットカードが非対応の場合もあり、また電子マネーが使えない場所もある。現金が一番確実だが、少額の支払いの際には小銭の持ち歩きが面倒なこともあり、所有していて使える場所であれば電子マネーを使うといったところか。

額面が大きくなると、現金や電子マネーの比率は小さくなり、クレジットカードの割合が大きくなる。多額の現金の持ち歩きのリクスや、クレジットカードの使用金額に応じた特典を考えると、大きな金額ではクレジットカードを使うのは賢い選択ではある。

1万円以下の支払いの場合、現金は47.3%、電子マネーは6.1%、クレジットカードは43.9%。現金とクレジットカードがほぼ同率となっている。3万円以下では両者の立ち位置は逆転するので、2万円ぐらいが現金と電子マネーの境目だろうか。

ちなみにスマートフォンに電子マネーアプリを入れている人に限って集計すると、電子マネーの比率は大きくなる。

↑ 指定額面以下の金額の買い物で選ぶ支払方法は(2017年、択一)(スマートフォンに電子マネーアプリを入れている人限定)
↑ 指定額面以下の金額の買い物で選ぶ支払方法は(2017年、択一)(スマートフォンに電子マネーアプリを入れている人限定)

500円ぐらいの買物ならば現金よりもむしろ電子マネーでの支払いの人の方が多い結果が出ている。

興味深い動きとしては、全体の結果同様に、高額支払いの際に電子マネーの利用率は小さくなるが、それ以上に現金の利用率の減り具合が大きく、全体の結果と比べ、より多くの割合でクレジットカードを用いている現象が生じている(例えば3万円以下の場合、全体では57.7%がクレジットカードを選択するが、スマートフォンに電子マネーアプリを入れている人に限れば68.8%もの人がクレジットカードを選択する)。

スマートフォンに電子マネーアプリを入れている人はもちろん電子マネーを積極的に使いたいとの思惑で使っているのだろうが、同時に現金払いを極力避けたいとの考えもあるのだろう。

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※20代の金銭感覚についての意識調査2017

2017年10月2日から5日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の仕切りで均等割り当て。未婚者822人、既婚者178人。調査協力機関はネットエイジア。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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