都道府県別の平日起床時刻の違いをさぐる
大よその人は朝起きて昼間は活動し、夜には床に就く。しかし起床時刻や就寝時刻は人により、個々の環境により、また地域によって違いを見せる。今回は総務省統計局による2016年社会生活基本調査(※)の結果から、都道府県別の起床時刻の実情を確認する。
次に示すのは都道府県別の平日における平均起床時刻。10歳以上を対象にしている。地域そのものの特質に加え、年齢階層別の人口構成比や産業構造などにも影響されることを念頭に入れておく必要がある(男女を問わず子供はやや遅くに起き、大学生でもっとも起床時刻は遅くなり、以降は退職期までは早まる傾向がある)。
全国平均は6時32分。沖縄県や愛媛県がややイレギュラー的動きをしているが、それ以外は大よそ大都市圏ほど起床時刻が遅くなる傾向があるように見える。人口構成比の上で大都市圏ほど若年層、特に未成年者が多く、その分平均起床時刻を遅くしているのだろうか。
これだけでは少々分かりづらいところもあるため、上位陣と下位陣をそれぞれまとめたのが次のグラフ。
まずは上位陣、つまり早起き地域。トップは岩手県の6時17分で、青森県と静岡県の6時18分が続く。大よそ人口が多くは無い地方で占められている感はある。
他方下位陣、つまり遅起き地域では京都府の6時52分がトップ。次いで東京都の6時47分、大阪府の6時46分、愛媛県の6時40分。上位陣の地域と比べると、明らかに人口密集地域で起床時刻が遅いように見受けられる。
起床時刻が何時何分になるかは個々の理由によるところが大きく、地域によるものというよりは他の属性に連動し、その属性の比率が間接的に地域の差異を見出していると考えた方が無難ではある(無論夜明け時間の違いで、多少の地域差は生じるだろうが)。今件はあくまでもトリビア的なものとして知っておくと考えた方が無難だろう。
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※社会生活基本調査
5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。