一番夜更かししているのはどの世代? 年齢階層別就寝時刻をさぐる
特殊な事情が無い限り人は夜になれば眠くなり、床に就く。しかし寝る時刻は人によって違いを見せる。その実情を総務省統計局による社会生活基本調査(※)の公開値から確認する。
まず最初に挙げるのは、男女、曜日、そして年齢階層別に仕切り分けした上での平均就寝時刻。縦軸の時間区切りを統一し、男女の比較もしやすいようにしてある。
男女とも大よそ日曜の就寝時刻が一番早く、次いで平日、そして土曜の就寝時刻が一番遅い。日曜が早いのは少しでも長い睡眠時間を確保するため、そして日中のスケジュールに余裕があるのが原因。ならば土曜より平日の方が遅くなりそうだが、これは土曜が「翌日は休みなので翌日は遅くまで寝ていられるから、夜更かしをしよう」との意図によるものと考えられる。日曜の場合は翌日が平日なので、それはできない。実際、日曜の起床時刻が一番遅い。
また年齢階層別の動きを見ると、男女とも20代前半がもっとも夜更かし。大学生、あるいは就職間もなく、色々と夜遅くまで起きていなければならない事情があるのだろう。そしてそれ以降は女性の40代後半~50代前半にややイレギュラー的な動きがあるものの(子供がある程度成長することによって生じるパート・アルバイト勤務で日中時間を費やしたため、家事を終えるまでに時間がかかるのだろう)、大よそ年を取るほど早寝になる傾向が見られる。高齢者ほど睡眠時間が長くなる傾向があるが、これはひとえに早寝をするからに他ならないことが再確認できる。
ちなみに男女で平日の年齢階層別の就寝時刻を併記すると次の通りとなる。
「就寝時刻の遅い時刻でのピーク、20代前半に至るまでは男女であまり変わらず」「ピーク以降40代後半までは男性が夜更かし」「50代前半以降は女性が夜更かし」といった形で3段階に分かれた状況の変化が確認できる。40代後半までは就業で多忙の結果、男性が夜更かしをしがちになるのは理解しやすいが、50代前半以降の女性が夜更かしの動きは理由の想像が難しい。パート・アルバイトのため…にしては高齢過ぎる面もある。身体的の老化の差異か、あるいは気力、日常生活に対する気力の違いが男女で出てきた結果なのかもしれない。
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※社会生活基本調査
5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。
今件における就寝時刻とは、17時以降で翌日のお昼よりは前に始まり、60分を超えて続く睡眠の開始時刻を意味する。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。