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男性平日6時40分、女性は6時24分…起床時刻の男女間の違いをさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ あと5分、寝ていたいのは分かるけど…(写真:アフロ)

ライフスタイルによって起床時間は人それぞれ。見方を変えれば起床時間の動向から、ライフスタイルを推し量ることができる。男女それぞれの、平日と土曜・日曜における起床時間の実情を総務省統計局による社会生活基本調査(※)の公開値から確認する。

まずは直近2016年における平均起床時刻(深夜ゼロ時以前に始まり、60分を超えて続く最初の睡眠の終了時刻)だが、平日は男性が6時40分、女性が6時24分と、女性の方が20分近く早い。朝の家事などのために早起きする必要があるからだろう。

↑ 男女・曜日別平均起床時刻(2016年、10歳以上、時:分)
↑ 男女・曜日別平均起床時刻(2016年、10歳以上、時:分)

土日になると男女とも30分ほど起床時間が遅くなる。土曜日より日曜日の方がさらに遅くなるのは、土曜日も出勤・登校で早起きせざるを得ない人がいるため、平均化した時に早めの時間が出てしまうから。一方で男女の差異はあまり変わりない。

普段の就業状態別に見ると、男女とも平日は有業者の方が早く起床するものの、土日では無業者(定職を持たない人)の方が早起きする傾向が見られる。なお普段の就業状態別では15歳以上が対象となっていることに注意(10~14歳では原則として全員が無業者となるので、仕切り分けの意味が無くなる)。

↑ 普段の就業状態・曜日別平均起床時刻(2016年、男性、15歳以上、時:分)
↑ 普段の就業状態・曜日別平均起床時刻(2016年、男性、15歳以上、時:分)
↑ 普段の就業状態・曜日別平均起床時刻(2016年、女性、15歳以上、時:分)
↑ 普段の就業状態・曜日別平均起床時刻(2016年、女性、15歳以上、時:分)

有業者は平日の就業での疲れをいやすため、土日に少しでも長く睡眠を取り、そのために起床時間が遅くなる、と考えれば道理は通る。平均すると10~20分程度でしかないが、寝不足の人にとっては、それが結構大きい。

余談になるが、前回調査分となる2011年の結果を抽出して直近調査分と比較し、5年間の変移を計算したのが次のグラフ。男女とも、平日・土日を問わずに起床時間が早まる結果が出ている。

↑ 男女・曜日別平均起床時刻(10歳以上、2011年から2016年への差異、分)
↑ 男女・曜日別平均起床時刻(10歳以上、2011年から2016年への差異、分)

仕事や家事などで多忙さを増したのか、それとも趣味でやりたいことが増えたのか、ともあれ起床時間は繰り上がっている。1日は24時間しか無いため、他にしたいことが増えているのなら、まずは起床時間を繰り上げることを考えるのは当然の成り行きではある。

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※社会生活基本調査

5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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