アメリカ合衆国の飲酒状況をさぐる

↑ 飲酒も適量ならばさほど問題は無いはずなのだが……(ペイレスイメージズ/アフロ)

アメリカ合衆国の18歳以上の飲酒率は54.0%

大人だけのし好品だが、身体にはマイナスの影響を与えることが多いため、昨今の健康志向を受けて飲む人が減っているとされる「お酒」。アメリカ合衆国におけるお酒の飲まれ具合の実情を同国の医療保険関連の公的機関CDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病予防管理センター)の部局BRFSS(Behavioral Risk Factor Surveillance System)の公開値を元に確認する。なお今件における成人とは18歳以上、そして現時点での最新データは2016年分。

まずは調査時点で過去一か月の間にアルコールを口にしたか否か、つまり単純な「現在飲酒率」。全体では2016年時点で54.0%との値が出ている。見方を変えれば、この一か月間にお酒を口にしていない大人は46%程度。

↑ 過去一か月にアルコールを口にした(アメリカ合衆国、18歳以上、2016年、CDC・BRFSS)
↑ 過去一か月にアルコールを口にした(アメリカ合衆国、18歳以上、2016年、CDC・BRFSS)

男女別では男性の方が10%ポイント強ほど飲酒率が高い。そして年齢別では25歳から34歳が飲酒のピークとなる(アメリカ合衆国で飲酒が法的に許されるのは21歳以上のため、20歳までは飲酒は禁じられている。そのため法的に飲酒が禁じられ飲むことができない18歳から20歳が含まれる「18歳から24歳」層が少なめの値が出るのは当然)。

また属性別では高年収・高学歴ほど飲酒率が高くなる。きれいな右肩上がりをしていることも併せ、意外に思う人も多いかもしれない。付き合いの上で飲酒が必要になる場合も容易に想定できるし、ハードワークの疲れを飲酒で誤魔化しているのかもしれない。また、単純に飲酒にはコストがそれなりに必要なため、金銭的余裕の有る無しが反映されているとの見方もできる(学歴は世帯年収と相応の相関関係があり、多分な因果関係も考えられる)。

ヘビードランカーは1ケタ%

それでは飲酒の程度はどれほどなのか。そこで「ヘビードランカーか否か」を聞いた結果をまとめたのが次のグラフ。これは男性ならば1週間で14杯、女性ならば7杯以上お酒を飲むか否かを答えてもらい、「飲まない人も合わせた全体に対する比」を算出したもの。アメリカ合衆国の大人の6.5%は「ヘビードランカー」となる。

↑ ヘビードランカーである人の割合(男性は週14杯以上、女性は週7杯以上酒を飲む)(アメリカ合衆国、18歳以上、2016年、CDC・BRFSS)
↑ ヘビードランカーである人の割合(男性は週14杯以上、女性は週7杯以上酒を飲む)(アメリカ合衆国、18歳以上、2016年、CDC・BRFSS)

年齢階層別では25~34歳層が一番のヘビードランカー率で8.0%。それとほぼ同じ7.9%が18歳~24歳。この層は上記の通り年齢制限上の問題があるにもかかわらず、高値を示している。実際には「飲酒できる人」の多分が結構な量を飲んでいることになる。そして大よそ歳を経るに連れて値は下がっていく。

世帯年収別、学歴別でも、単なる飲酒率同様に、高年収・高学歴ほど値は高くなるが、飲酒率よりは上がり方が穏やかで、上層部ではあまり変化が無い、むしろ下がる動きもある。

結果として「飲酒者に限定したヘビードランカー率」を計算すれば、低年収・低学歴者の方が高くなる。例えば年収5万ドル以上の人の「飲酒者におけるヘビードランカー率」は11.5%だが、1.5万ドル未満の場合は15.2%となる。また性別からはほとんど違いは見られない、むしろ女性の方が高い値を示している。

↑ 飲酒者におけるヘビードランカー率(アメリカ合衆国、18歳以上、2016年、CDC・BRFSS)
↑ 飲酒者におけるヘビードランカー率(アメリカ合衆国、18歳以上、2016年、CDC・BRFSS)

年齢はともかく、世帯年収で飲む人の飲み方が違ってくる傾向は興味深い話には違いない。

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(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。