米国では年齢でニュースへの信頼度合いや見聞きするルートが大きく異なる

↑ 若者にとってスマホでのニュース取得は当たり前のスタイル。(写真:アフロ)

自分の人生経験全体の中でインターネットなどのデジタルメディアとの接触時間比率が高い若年層は、その経験比率に基づき、インターネットをはじめとしたデジタル系媒体への傾注が強く、新聞やテレビなどの従来のメディアをあまり利用しない、さらには信頼しない傾向がある。米国におけるその実情の一端を、ニュースの取得や姿勢の観点で、同国の民間調査機関Pew Research Centerが2016年7月に発表した調査報告書「The Modern News Consumer」(※)をもとに確認する。

次に示すのは年齢階層別に仕切り分けした上での、ニュースへの姿勢についての同意率。

↑ ニュースへの姿勢(米国、2016年2月)
↑ ニュースへの姿勢(米国、2016年2月)

ニュース取得に割けるリソースがあるか、生活の上で必要性がどれほどあるかなど個々の事情も大きく影響するが、若年層ほどニュースへの関心は薄く、年を取るに連れて関心度は強くなっていく。また、全国ネットワークのテレビ局や全国向けの新聞のような全国メディアが提供する情報を大よそ信頼している、さらにそれらのメディアは情報配信という業務の上で良く仕事をこなし、社会的責務も果たしていると考えている人も、年上になるに連れて増えていく。若年層はニュースに関心が無いだけでなく、従来型の情報メディアへの信頼度も低いようだ。あるいは信頼していないからこそ、ニュースへの関心度が低い面もあるのだろう。

ニュースそのものへの関心度の違いや、メディアへの傾注度・心腹度の差は、ニュースを取得するルートの差にも表れている。

↑ 普段どのルートでニュースを取得しているか(複数回答)(米国、2016年2月)
↑ 普段どのルートでニュースを取得しているか(複数回答)(米国、2016年2月)

若年層はニュースそのものへの関心度が低いため、取得率そのものも低いが、同時にメディア間の相対的な立ち位置もインターネット系のものの方が高い傾向がある。29歳まではウェブ・アプリとソーシャルメディアがほぼ同率で3割強、次いで地方テレビ局が2割強となり、紙媒体の新聞は5%しかいない。年上になるに連れて紙の新聞やテレビ、ラジオなどの利用率は大きな伸びを見せ、インターネット系の値は小さくなっていく。

今件は複数回答なので直接合算するのはリスクがあるものの、年齢階層別にすべての回答率を足して、インターネット系の回答率が全体に占める比率を計算すると、29歳までは1/4程度になる一方で、30~49歳ではウェブ・アプリ系は2割強、ソーシャルメディアは1割強、65歳以上だとそれぞれ6%・2%でしかない。

今件ではニュースとひとくくりにまとめているが、年齢によって興味関心のある、取得したいニュースのジャンルは大きく異なる。その掲載場所の違いも選択するメディアの差異に表れているのだろう。とはいえ、ここまで取得するルートの傾向に違いが生じると、いわゆる世代間ギャップも大きなものとなるのは当然なのかもしれない。

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※The Modern News Consumer

今調査は2016年2月24日から3月1日にかけて汎用調査用母集団(アメリカ合衆国全体規模のRDD方式で選別された電話番号で対応した人(18歳以上)で構成)に対して実施されたもので、データ分析用として十分な回答が得られた回答者数は2078人。国勢調査などによるウェイトバックが実施されている。なお今調査における「ニュース」とは、回答者の友人や家族が直接関与したものでは無い、出来事やイベントに関する情報と定義されている。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。