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Facebook・ツイッター・LINEの利用状況を詳しくさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 多様なソーシャルメディア。そのうち日本で有名な3つの利用実情を確認

携帯経由がほとんどなLINE

インターネットを用いた意思伝達手段としては、今や電子メールよりも使っている人も多いであろうソーシャルメディアやその類似サービス。しかしその利用実態はサービスによって大いに違いを見せているとの話もある。自ら内部データを公開しているところもあるが、大よそは企業秘密として非公開なのが現状。そこで今回は総務省情報通信政策研究所が2017年7月に発表した「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の調査結果をもとに、利用状況にメスを入れることにする

次以降に示すのは、各サービスの利用をどの種類の端末から行っているかに関する回答値。回答時点で該当サービスを閲覧のみで利用しているか、書込み・投稿をしているか(単純に書き込みのみの利用は不可能なので、実質的に閲覧もしていると解釈してよい)。そして利用する際の端末はパソコン(PC。ノート、デスクトップを問わず)か、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンを問わず。多分にスマートフォンであることは容易に想像できるが、公開値では判断が不可能)かについて尋ねている。また単純な利用状況は「いずれからも利用していない」を元に逆算したもの。

↑ LINEの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ LINEの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ LINEの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)
↑ LINEの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)

全体でも2/3強の人が使っているLINEだが、男女差はいくぶん女性が多い。20代では実に9割以上、20人に19人以上が利用している。10代がやや低めなのは今調査が13歳以上を対象としているからで、利用可能な端末そのものを保有していない場合もあるため。そして40代までが7割超の利用者を示す。60代でも1/4近くが利用者。

そしてLINEのチャットシステムとの特性上、閲覧する人と投稿する人の差異はあまりない。さらには圧倒的に携帯電話経由の人が多い。見方を変えると20代では7割強の人が、携帯電話を使ってLINEでやり取りをしている計算になる。

Facebookも携帯電話経由が多い

続いてFacebook。日本に展開された直後は他の類似サービスとして一世を風靡しており、実名制は日本に馴染まないのではとの指摘もあったが、いつの間にか主流のソーシャルメディアの一つとして君臨することとなった。

↑ Facebookの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Facebookの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Facebookの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)
↑ Facebookの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)

パソコン経由における男性の利用率がやや高めなのは、ビジネス利用の事例が多分にあるからだろう。また年齢階層別では20代と30代がほぼ同率で多く、以後歳を経るにつれて減退していく。もっとも10代でも5人に1人はFacebookを利用している状況は、大いに注目すべき。

端末別だがLINEほどではないもののFacebookも携帯がメインの利用端末となっているのが現状。そして双方向での利用を強要されないこともあり、見るだけの人と書込みもする人との差がそれなりに大きく、大体倍ぐらいの違いとなっている。

Twitterは10代の利用が最多

最後はツイッター(Twitter)。

↑ Twitterの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Twitterの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Twitterの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)
↑ Twitterの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)

Facebookは20代と30代の利用がメインだが、Twitterは10代と20代が主な利用層で、主要年齢階層が10歳分ほど若い方にシフトしている。そして携帯電話からの投稿利用においては20代よりも10代の方が、男性よりも女性の方が閲覧利用も含めて高い値を示すなど、特異な動きを示している。Twitterは導入当初は中堅層以降に利用されることが多いとの話もあり、いくつかの調査結果でもそれを裏付けていたが、現状では20代までの若年層が中心で、携帯電話がメインの使用機器、そして女性も積極利用しているのが実情となっている。

逆に30代以上は利用率、特に書込み率が急速に減退する。他人の発言を読み通すだけで満足してしまっているのだろう。

10代は学校種類別でインターネットとの接し方が大きく変化する。本来ならば小中高校大学と所属別の動向も知りたいところだが、今調査ではその仕切り分けは用意されておらず、精査は不可能。今後中学生(12歳から15歳)におけるスマートフォンの普及率がさらに上昇すれば、10代における各サービスの利用率も大きな変化を見せることだろう。

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※平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2016年11月26日から12月2日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳から69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時併行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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