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日本におけるツイッターの利用状況を詳しくさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 独り言、つぶやき等と呼ばれる書き込みを連ねるツイッター。日本での利用実情は

Twitterの最新利用状況を確認

ミニブログ形式の書込みをアカウント単位で逐次発信する、チャットスタイル感覚のコミュニケーションツール、ツイッター(Twitter)。短文によるやりとりが日本人の性質とマッチしたこともあり、諸外国よりも日本国内での評判の高さは日本国内外で知られるところ。今回はそのTwitterの利用状況に関して日本国内の動向のみではあるが、総務省が2017年7月に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の公開値を基に、いくつかの切り口から確認する。

まずは直近年となる2016年における、Twitterの利用状況の確認。利用スタイルをパソコン(PC)からか、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンの双方合わせて)からなのか、そして閲覧をしているか、書き込み(投稿)をしているか、それぞれの組合せで計4つの選択肢を用意し、該当するものを答えてもらった結果が次のグラフ。例えばパソコンのみを利用しているが、閲覧も書き込みも行う場合もあれば、パソコンでは閲覧のみで、携帯電話では閲覧と書き込みの双方を行う場合もある。それぞれの利用スタイルに応じて複数回答で答えてもらっているので、最大で4選択肢(パソコン経由で閲覧・投稿、携帯経由で閲覧・投稿)に回答するケースがありうる。

↑ Twitter利用率(2016年)(年齢階層別、利用スタイル別、複数回答)
↑ Twitter利用率(2016年)(年齢階層別、利用スタイル別、複数回答)

PCは青系統、携帯は赤系統で統一しているが、パソコン経由の利用者は少数で、多分に携帯電話による利用者であることが分かる。特に若年層は携帯電話経由での投稿に積極的で、10代では1/3強、20代でも3割強に達している。同年齢階層でパソコン経由は読むのみが1割強、書き込みは1割にも満たない。

30代以降になると携帯電話利用者、特に投稿をする人の値が急激に減り、読むだけの人が多数となる。50代に入ると携帯電話経由での閲覧者がかろうじて1割きっかりとなる以外は1割を切り、書き込みをする人はごく少数。実質的に今の日本におけるTwitterは、若年層が多数派の、携帯電話中心によるサービスであることが分かる。

男女別に仕切り分けしたのが次のグラフ。

↑ Twitter利用率(2016年)(男女別、利用スタイル別、複数回答)
↑ Twitter利用率(2016年)(男女別、利用スタイル別、複数回答)

就業時間、あるいはその合間に利用するケースが多いのか、それも合わせ元々パソコン経由でインターネットを利用する機会が多いからか、男性はパソコン経由での利用が多い。他方女性は男性と比べ、携帯電話経由での利用が多い結果が出ている。女性に限ればその1割強がTwitterで書き込みをしていることになる。パソコンの利用率と合わせ考えても、女性の方が積極的にTwitterを利用している計算になる。

経年変化で実情を確認

「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では今回年も合わせ都合5年分の、Twitterの利用率を確認することができる。その値を年齢階層別に仕切り分けしたのが次のグラフ。この利用は経由端末種類を問わず、読むだけの人も投稿をする人もすべて該当する。

↑ Twitter利用率(年齢階層別)
↑ Twitter利用率(年齢階層別)

10代はほぼ天井感、20代も天井に近い値動きだったが2016年ではさらに一歩先に進んで6割に手が届きそうな状態となった。30代以降もゆっくりとではあるが、少しずつ利用率は増加の傾向にある。もっとも30代以降は元々の値が低めであることから、今後も10代・20代が利用者の主役である状況には変わりはあるまい。

良い機会でもあるので、多様な属性におけるTwitterの「利用率」を計上しておく。この値の人たちが何らかの形でTwitterを利用していることになる。

↑ Twitter利用率(2016年)
↑ Twitter利用率(2016年)

学生・生徒の利用率が高いのは上記の通りで、それと連動する形で10代・20代が高め。男女ではわずかに女性の利用率が高く、フルタイムとパート・アルバイトでは実のところ利用率はさほど変わりない。そして全体では27.5%の利用率を示している。

日本におけるTwitterの利用率の現状を把握する上で、この値を覚えておくのが一番無難かもしれない。

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※平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2016年11月26日から12月2日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳から69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時併行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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