勤めてる? 失業中?! 学歴別の就業状態をさぐる
学歴は人生に大きな影響を与えるとされるが、就業は特に大きな影響要素となると言われている。実際に学歴別で就業状態に違いは生じているのか。国勢調査の結果を元に確認する。
国勢調査の結果において、最終学歴と就業状態の関連が確認できるのは10年おきの大調査のみ。現状では2010年分の調査結果が最新のものとなる。そこで2010年の結果につき、学歴別に現在どのような就業状態にあるかを確認した結果が次のグラフ。就業に関して不詳との回答者は除いて計算している。また就業内容は問われていない。
一般的に高学歴者ほど失業率は低くなる。今件は定年退職者などの高齢者も合わせた全体としての値なので、非労働力人口に該当する人も含めた合算ではあるが、大よそ高学歴者ほど就業率は高く、失業率も低い値となる。
これを男女別に仕切り分けした上で再計算したのが次のグラフ。
男性と比べて女性の就業者率が低く非労働力人口の比率が高いのは、多分に結婚して家事従業者となっているため。また影響はさほど大きくないが、女性の方が長生きをしているため、高齢者における非労働力人口の者の加算が比率を押し上げている。
他方、値そのものに違いはあれど、男女を問わず高学歴の方が完全失業者の比率は高い。男性で高卒者の6.9%は完全失業者だが、大卒・大学院卒者は4.0%に留まっている。
学歴はそれ自身が就業条件となっている場合もあるが、多分に本人の学力、能力による結果であり、指標以上のものでは無い。今件は「高学歴ほど就業率が高い」実態を全般的な視点から裏付けたものではあるが、それが「学歴があれば本人の能力は二の次でも就業上好条件となる」ことを意味しない点には注意したいところではある。
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