ネット上での作業に自信があるか、米国シニア勢に聞きました
インターネットは多様な便益を得ることができるツールだが、使い方を知らなかったり慣れていないと、なかなか思うように操作ができないどころか、自分の望む利用方法へすらたどり着けないこともある。それではインターネット技術や社会への浸透が進んでいるアメリカ合衆国では、先端技術を忌避しやすい高齢者たちは、インターネットにどのような想いを抱き、姿勢を示しているのだろうか。同国の民間調査会社Pew Research Centerが2017年5月に発表した調査報告書「Tech Adoption Climbs Among Older Adults」(※)から確認していく。
次に示すのはアメリカ合衆国においてインターネットを利用している人(パソコンに限らずスマートフォンなどでも対象)に、パソコンやスマートフォンなどを使ってインターネット上での作業をすることに関して、どの程度自信を持っているかを尋ねた結果。特定の探し物や計算などではなく、全般的な操作に関する所感を述べてもらっている。
若年層ほど自信を強く持っており、歳を経るに連れて自信が無くなっていく。30歳未満では94%がそこそこ以上の自信を有しているものの、65歳以上では65%に留まっている。そして34%が自信無し派であることを自認している。
今件はインターネット利用者限定の回答であり、利用している以上それなりの知識や経験は有しているはず。その上で自信を持たない・持てない人がこれだけ居るのは、やはり柔軟性に欠ける自分自身の能力を自覚しているからだろうか。
実際、インターネットの利用をはじめとしたデジタル系の機器を使う際、誰か分かる人に手ほどきを受けたり初期設定をやってもらうなどのサポートを受けたことがあるか否かを聞いてみると、高齢者ほど経験がある、しかも高い頻度で受けていると回答している。
誰もが最初は初心者なのに違いは無く、機会が得られるのならば、技術を持つ人に教えを請うのは悪い話ではない。他方、歳を経るに連れてその経験率が高くなり、頻度も多くなるのは、新しい技術への適応性、柔軟的な考え方に欠けてしまっているからなのだろう。
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※Tech Adoption Climbs Among Older Adults
今調査のメイン部分は2016年9月29日から11月29日にかけてアメリカ合衆国に在住する18歳以上の男女に対し電話による対話形式で行われたもので、総数は3015人。757人は固定電話、2258人は携帯電話(そのうち1342人は固定電話を所有せず)。国勢調査などによるウェイトバックが行われている。他調査もほぼ同等の条件で実施されている。