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年齢で大きな違いを見せる子供のお好みキャラ

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ トップ人気は性・年齢でどのような変化を見せるのか(ペイレスイメージズ/アフロ)

子供が好むアニメや漫画、ゲームのキャラクタは、その時代の流行りすたりに大きな影響を受け、またその人気ぶりは多方面に影響を与え得る。コンビニやファストフード店で見られる関連商品やキャンペーンの展開では、今子供向けのキャラで何が流行っているのかを推し量ることができる。それでは今、子供達の間ではどのようなキャラクターが注目を集めているのか。バンダイが2017年6月に発表した、子供における人気キャラクターに関する調査「お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査」の結果(※)から、その実情をかいま見る。

今件調査では総合で「それゆけ! アンパンマン」、次点で「ドラえもん」が、子供達から人気のあるキャラクターとして位置付けられているとの結果が出ている。

↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2017年)
↑ もっとも好きなキャラクター(男女総合)(2017年)

今件に関して子供の年齢階層別・性別に細分化した上で、上位陣動向を見たのが次以降のグラフ。まずは男子陣。男女で比較がしやすいよう、縦軸の区切りの長さは男女で統一している。

↑ もっとも好きなキャラクター(2017年)(男子)
↑ もっとも好きなキャラクター(2017年)(男子)

「ドラえもん」は0~2歳以外のすべての階層でトップ3入り(順位まで第2位で同列)、その安定感を見せつけられる形に。幅広い年齢層に受け入れられている実情がうかがえる。他方、「アンパンマン」は幼少時には絶大な人気を誇るが、少し歳を経るとバトル・アクション要素の強いものが注目を集め、そして小学校へ入学して不特定多数の人と接触して友達を作る機会が一挙に増えると、共通の話の素材として利用しやすい、多数キャラクタが登場する収集もの、ゲームとの連動性の高い「妖怪ウォッチ」「ポケットモンスター」や、謎解き要素が楽しめる「名探偵コナン」が上位を占めるようになる。報告書には「名探偵コナン」を推したコメントとして「謎解きが楽しいから」「ドキドキして見るのが楽しいから」とあり、ストーリー性を堪能するだけの能力を身に付けた年頃にマッチした作品となっているようだ。

「妖怪ウォッチ」は6~8歳に限りトップ3にある。前年でもこの層が突出して評価をしており(34.0%でトップだった)、子供達の中では小学校低学年辺りがホットな支持層のようである。

次いで女子。男子とは様相を一変する。

↑ もっとも好きなキャラクター(2017年)(女子)
↑ もっとも好きなキャラクター(2017年)(女子)

0~2歳の「アンパンマン」の人気ぶりは男子と変わらない。この男女変わらずの人気ぶりが、今年トップに返り咲いた原動力であることは言うまでもない。一方で「きかんしゃトーマスとなかまたち」はその姿は一切確認ができない。女子自身も保護者も同作品はマッチしないと判断したようだ。

3歳以降になるとアイドル系・憧れ系ともいえる「プリキュア」「ディズニープリンセス」「アナと雪の女王」が上位に顔を見せる。「妖怪ウォッチ」も入っているが、男子と比べると回答率はさほど高くない。また「名探偵コナン」は男子同様女子でも、9~12歳ではトップについている。謎解きやストーリー性の魅力は男女共通のようである。

今件はあくまでも各年齢階層のトップ3に限られるが、「それいけ!アンパンマン」の低年齢層における圧倒的な支持、女子における「アナと雪の女王」の根強い人気や、それも含めてアイドル系・憧れ系キャラクターの人気動向がある程度つかみ取れる。また、男女で好みの傾向に違いがあり、それぞれ一定の傾向を持つこと、また「それいけ!アンパンマン」や「名探偵コナン」のように男女の差を超えて支持される作品があるのは注目に値する結果と言えよう。

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※お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査

2017年5月12日から14日にかけて、0歳から12歳の子供を持つ人(子供と一緒に回答できる人)にインターネット経由で「子供の意見を入力できるようような状況で」答えてもらったもので、有効回答数は800人。子供の年齢(0~2歳・3~5歳・6~8歳・9~12歳)と性別で均等割り当て。調査協力はクロス・マーケティング。同様の調査は毎年実施しているが、2012年以前は様式が異なるため比較対象にはならない。また2013年から2016年までは長子のみが対象だったが、2017年からは長子に限定せずに回答を精査対象としている。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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