「若者のパソコン離れ」を10歳未満の実情からさぐる

↑ 「若年層のパソコン離れ」を子供達のパソコンへの接触実情から探る。

単なる利用率、そしてネット利用率

「若年層のパソコン離れ」とは最近よく聞く言い回し。実際にインターネットへの窓口としてスマートフォンやタブレット型端末が用意され、それを多用している現状、さらに保護者自身もパソコンから離れているケースも多々見受けられる以上、仕方のない話ではある。今回は10歳未満の子供達におけるパソコン利用の実情を、内閣府が2017年5月に発表した、低年齢層のインターネットに関わる利用実情を調査した結果報告書(※)から確認する。

まず最初に示すのは、子供の年齢階層別におけるパソコンの利用率。ここではインターネットの利用は問われていない。リスクを鑑み、子供が利用している時にはインターネットを使わせないスタイルで、保護者がパソコンを使わせている状況も十分ありうる。

↑ パソコン利用率(属性全体比)(2017年1月、子供の年齢が0~9歳、複数回答、インターネット利用の有無を問わず)(機種別)
↑ パソコン利用率(属性全体比)(2017年1月、子供の年齢が0~9歳、複数回答、インターネット利用の有無を問わず)(機種別)

昨今ではパソコンの利用実態としてデスクトップパソコンよりもノートパソコンの方が利用率は高くなっているが、今結果でもその実情に合致した値が出ている。全体ではノートパソコンが6.2%なのに対し、デスクトップパソコンは3.4%でしかない。また、双方を合わせて利用している場合もあるが、単純加算しても1割に届かない。つまり、10歳未満におけるパソコン利用率は1割足らずとの計算になる。

年齢階層別で見ると3歳でデスクトップとノートの回答率が逆転しているが、それ以外では大よそノートの利用率はデスクトップの2倍。また、9歳で双方とも利用率が大きく跳ね上がるが、これは小学校の3年生になるにあたり、保護者の許諾が出るケースが多くなるからだろう。

これをパソコンでインターネットも使っている人に限定した結果が次のグラフ。パソコン利用者におけるパソコンでインターネットを利用している人の割合ではなく、全体・各年齢属性に占めるパソコンでインターネットを利用している人の割合であることに注意。例えばノートパソコンの全員の値は5.0%とあるが、これは全員のうち5.0%がパソコンでインターネットも使っていることを意味する。

↑ パソコン利用率(属性全体比)(2017年1月、子供の年齢が0~9歳、複数回答、インターネット利用)(機種別)
↑ パソコン利用率(属性全体比)(2017年1月、子供の年齢が0~9歳、複数回答、インターネット利用)(機種別)

単なる利用率と比べて値が低くなるのは当然の話だが、幼い時のインターネット利用率がより大きくなっているのが分かる。また、ノートパソコンと比べるとデスクトップパソコンにおける、単純な利用率とインターネット利用率の差異が小さいのは、保護者の監視下で操作させられるか否かの違いによるところもあるのだろう。

子供達はパソコンで何をしているか

続いてパソコンで何をしているのか。今項目はインターネットに接続した上での調査項目のみが計上されている。

↑ 該当機種のインターネット操作で何をしているか(2017年1月、0~9歳、該当機種でインターネット利用者限定、複数回答)(機種別)
↑ 該当機種のインターネット操作で何をしているか(2017年1月、0~9歳、該当機種でインターネット利用者限定、複数回答)(機種別)

動画視聴がトップだが、ノートパソコンよりもデスクトップパソコンでの方が、より多くの割合で利用している。画面の大きさや操作性、そして保護者の監視下に置きやすいか否かが影響しているのだろう。逆に知育はノートパソコンの方が高め。

もっとも、それ以外の項目は元々利用率が少ないこともあり、ノートパソコンとデスクトップパソコンの差異は見いだせない。実質的に統計上の誤差の範囲内でしかない。

なおノートでもデスクトップでも、インターネットを用いたコミュニケーション(メールやメッセンジャーやソーシャルメディアなど)の利用率は皆無。保護者と共用の場合が多々あるため、利用し難い実情があるのだろう。

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※低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査

2017年1月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を有する保護者を対象に、同年1月12日から1月30日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は2000人、有効回答数は1550人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ11人、26人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。