1割強は結婚を望まず…新社会人達が考える結婚計画の実態
新社会人として世に羽ばたいた人たちは、これから社会の一員として仕事に精を出すわけだが、その中でライフプラン(人生設計)を構築し、先のことを何かと考えねばならない機会が増えてくる。その「先のこと」の中で重要な要素の一つが「結婚」。新社会人達はどのような結婚観を抱いているのだろうか。今回はソニー生命保険が2017年5月に公開した、新社会人に対する意識調査結果「社会人1年目と2年目の意識調査2017」(※)から、新社会人の結婚計画などについて確認をしていく。
諸外国の例に違わず日本でも晩婚化は進行している。これが少子化を後押しする一因でもあり、社会問題化していることは言うまでもない。
今件では新社会人及び社会人2年生、つまり経済的基盤の土台をどうにか確かなものとし、その足場をさらに確固なものとすべくまい進を続けている状態の人達に、結婚観を尋ねている。それによれば質問時点ですでに結婚している人は4%足らず、それ以外においては男女とも25歳から29歳に結婚を果たしたいと考えている人が多数派を占める形となった。
男女別に見ると、29歳までは女性の方が回答率が高く、30歳以降は男性の方が高い。グラフから見た状況の限りではも男性の方がやや年齢が上のようには見える。
一方、結婚願望はあるものの具体的な年齢上の設定・計画が出来ていない人は男性で3割近く、女性で2割強。女性の方が計画性のある結婚観を抱いているようだ。また、結婚そのものを望んでいない、したいと思わない人も男女それぞれ1割強ほど確認できる。
これらの回答者のうち計画を立てている人に限り、その歳の平均を算出した結果、やはり男性の方がやや高めの値が出た。
男性は30.7歳、女性は29.3歳。上記に挙げた人口動態調査の平均初婚年齢「夫は31.1歳・妻は29.4歳」とほぼ一致するあたり、非常に興味深い。少なくとも今調査の結果との比較の限りでは、願望がほぼ実現した形となっている。あるいは逆で、平均初婚年齢を何らかの形で知っており、それを基に願望を抱いているのかもしれない。
今調査では第一子の計画についてもたずねており、それをグラフに併記したが、男性は33.0歳・女性は30.6歳。男女とも結婚計画年齢に2歳前後足した結果が出ている。結婚から1年位は新婚生活を楽しみ、その後……という設定を考えているのだろうか。
なお今調査とほぼ同じ条件で、過去においても同一項目に関して聞き取りが行われている。その結果を比較すると、面白い動きが確認できる。次に示すのは結婚観や子供を持つことへの否定的な切り口の回答率の動きを見たもの。
結婚や子供を有すること自身を肯定しない意見が男女とも増加している。3回分のみの経年データなので数理的なぶれの可能性も否定できないが、結婚離れ、子供離れが進んでいるとの解釈もできる。来年以降の動向には大いに注目したいところだ。
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※社会人1年目と2年目の意識調査2017
2017年3月27日から4月5日にかけて、「今春就職した社会人1年生」「就職してから1年経過した社会人2年生」(いずれも20代)に対して携帯電話経由のインターネット調査形式で行われたもので、有効回答数はそれぞれ500人。男女比はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。