メールやチャット、ソーシャルメディアなどの交流ツールを小中高校生はどれほど利用しているのだろうか

↑ いつでもどこでもスマホでやりとり。子供たちの利用実情は(写真:アフロ)

不特定多数と容易にやり取りができるインフラとなるインターネットと、そのインターネットにいつでもどこからでもアクセス可能な携帯電話、中でも機能が充実したスマートフォンの浸透により、未成年者の間でもインターネットによるコミュニケーションは急速に普及しつつある。その利用状況について、今回は内閣府が2017年3月に確定報を発表した、「平成28年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果」(※)の公開値から、現状を確認していく。

次に示すのは小中高校生が主に使っている、インターネットへのアクセス機器となるデスクトップパソコン(PC)、ノートパソコン、従来型携帯電話、スマートフォンそれぞれでインターネットを利用している人における、コミュニケーションツール(電子メールやメッセンジャー、チャット、ソーシャルメディア(Facebook、ツイッター、mixiなど)などを合わせた意志疎通サービスすべて)を利用している人の割合。例えば全体でデスクトップPCの値は23.7%とあるので、小中高校生あわせデスクトップパソコンでインターネットを使っている人の23.7%は、その端末でメールやソーシャルメディアなどを使っていると回答したことになる。頻度は問われておらず、回答者の認識で「使っている」と判断したものであることに注意。

なお従来型携帯電話を用いてインターネットを利用している人はごく少数で、統計の上でぶれが生じやすくなっているので注意が必要。例えば高校生ならば男子が11人、女子はゼロ人。

↑ コミュニケーションツールの利用状況(2016年、各端末でインターネット利用者限定)
↑ コミュニケーションツールの利用状況(2016年、各端末でインターネット利用者限定)

その端末利用者におけるツール利用率であることから端末そのものの利用率は影響を与えないものの、パソコンでは高学年の方が高い値を示している。特にデスクトップパソコンは保護者の監視の下で使われているか、保護者と共有のものを利用しており、コミュニケーション系のツールは使いにくい実態が表れている。年上になると自前で調達している場合や、子供のプライバシーに配慮する保護者の事例が出てくると考えると道理は通る。

携帯電話系では従来型携帯電話は学校種類を問わずに高い値を示している。これは元々従来型がスマートフォンと比べて機能が限られており、コミュニケーションツール利用の専用機的な使われ方をされているのに加え、防犯用として保護者との連絡ツールとして用いられ、電子メールなどを使っているからだと考えられる。

他方スマートフォンは小学生では保護者から利用を差し止められている場合もあってか、利用率は低め。しかし中学生となると8割台に跳ね上がり、高校生では9割台となる。

これについて各端末そのものの利用率を考慮し、各属性全体に占める比率を算出したのが次のグラフ。例えば小学生全体のスマートフォンは7.2%とあるので、小学生全体において7.2%はスマートフォンでコミュニケーションツールを利用していることになる。

↑ コミュニケーションツールの利用状況(2016年、各属性全体比)
↑ コミュニケーションツールの利用状況(2016年、各属性全体比)

元々パソコンはネット利用者内でも利用率が低かったが、加えて端末そのものの利用率が低いので、全体に占める利用状況はさらに低いものとなる。高校生でもノートパソコンでコミュニケーションをしている人は1割に満たない。デスクトップだと3%台。

一方携帯電話となると、従来型携帯電話は学校種類を問わず数%に留まってしまう。端末そのものの利用が少ないのが大きな要因。他方スマートフォンは中学生ですでに約3割、高校生になると8割前後に達する。スマートフォン利用者限定では無く、高校生全体で82.1%、女子高生に限れば86.3%が、スマートフォンでコミュニケーションをしている現状は、ほんの2、3年前まではとても考えられなかった図式に違いない。無論、従来型携帯電話による電子メールからのシフトとの形になるのだが。

またインターネットにおける各種サービスの中でも、コミュニケーションツールは利用頻度が高い。そのツールにおいて利用端末のほとんどがスマートフォンであり、パソコンがほぼ使われていない実情は、「若年層のパソコン、キーボード離れ」を印象付けさせる一つの結果ともいえよう。

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※青少年のインターネット利用環境実態調査

直近年分は2016年11月5日から12月11日にかけ満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3284人(うちウェブ経由は108人)、保護者は3541人(うちウェブ経由は55人、郵送回収法は34人)。過去の調査もほぼ同様の様式で実施されている。