1年で大きな変化を見せる小中高校生のネット機器利用状況

↑ 子供達のネットアクセスはパソコンからスマホへ。同時にタブレット型端末も(ペイレスイメージズ/アフロ)

スマホとタブレット型端末が伸長、パソコンやゲーム機は減退

大人が想像している以上に子供達の間にはスマホシフトをはじめ、ネット機器の利用形態の変化が起きている。内閣府の継続調査「青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の結果をもとに、その実情を確認していく。

次に示すのは小中高校生全体における、デジタル機器の利用状況に関する、2015年から2016年の変移。両年で同一対象を調査したわけではないが、この1年で各機器の普及利用率がどのような変化を遂げたのかが分かる結果が出ている。なおpptとは%ポイントのこと。

↑ デジタル機器利用状況(2015年から2016年への変移、ppt、小~高校生)(複数回答)(インターネット利用の是非を問わず)
↑ デジタル機器利用状況(2015年から2016年への変移、ppt、小~高校生)(複数回答)(インターネット利用の是非を問わず)
↑ (参考)デジタル機器利用状況(2016年11月~12月、小中高校)(複数回答)(インターネット利用の是非を問わず)
↑ (参考)デジタル機器利用状況(2016年11月~12月、小中高校)(複数回答)(インターネット利用の是非を問わず)

スマートフォンは通常版のものが伸び、格安スマホは大きな増加の動き。他方、従来型携帯電話は一様に下げ。パソコンも大きく下げているが、元々普及率が低かったデスクトップパソコンよりもノートパソコンの方が下げ幅は大きい。タブレット型端末は通常版が大きく伸びているが、学習用や娯楽用の普及率は微少な上昇に留まっている。特化型よりも汎用型の方が好まれているようだ。

ゲーム機などインターネットの利用が一義的なものではないデジタル機器では、インターネットテレビ以外は下げている。携帯音楽プレイヤーの減少も多分にスマートフォンへのシフトが想定される。またゲーム機では据置型ゲーム機がほとんど変わらないのに対し、据え置き型ゲーム機が3.0%ポイントも減少しており、ゲーム機業界の実情を再確認させられる。

学校種類別に見ると

今件を小中高の学校種類別に仕切り直した上で確認したのが次のグラフ。

↑ デジタル機器利用状況(2015年から2016年への変移、ppt、小~高校生)(複数回答)(インターネット利用の是非を問わず)(主要機種・学校種類別)
↑ デジタル機器利用状況(2015年から2016年への変移、ppt、小~高校生)(複数回答)(インターネット利用の是非を問わず)(主要機種・学校種類別)
↑ (参考)デジタル機器利用状況(2016年11月~12月、小中高校)(複数回答)(インターネット利用の是非を問わず)(主要機種・学校種類別)
↑ (参考)デジタル機器利用状況(2016年11月~12月、小中高校)(複数回答)(インターネット利用の是非を問わず)(主要機種・学校種類別)

スマートフォンは特に中学生の間で普及が加速している。従来型携帯電話の減少ぶりも中学生が大きいので、機種転換が進んでいるのだろう。「若者のパソコン離れ」的な動向は、高校生で特に大きな動きが見られるが、小中学生もそれなりに進んでいる。元々パソコンは両タイプとも上の学校種類ほど高い利用率を示しており、高校生の下げ幅が大きいのは納得ができるものの、中学生より小学生の下げ幅が大きいのは、やや違和感を覚える。小学生より前の段階におけるパソコン離れが加速しているのかもしれない。

タブレット型端末は小中高共に大きく飛躍しているが、特に中学生の利用状況の伸びが著しい。前年比で7.0%ポイントもの上昇を示している。他方携帯音楽プレイヤーは高校生が大きな減退ぶり。スマホがあるので不必要との認識だろう。

ゲーム機では小学生で据え置き型の利用率が減少しているが中高生はわずかに増加、しかし携帯ゲーム機は押しなべて減少。特に小学生の減り方が大きい。ここ数年は「据え置き型から携帯型へ」の動きがあったのだが、今回年は正反対の動きがあるのは興味深い。高校生で大きく据置型ゲーム機が伸びているのは、スマホでプレイできない大画像のゲームを据置型ゲームで、との考えによるものだろうか。

今件は1年間における変化を算出したものだが、わずか1年でここまで大きな変化が生じていることから、子供達の間でデジタル機器の利用状況がダイナミックな動きの中にあることが理解できる。ほんの数年前までは思いもつかなかったような状況に違いない。スマートフォンの伸張、タブレット型端末の静かな普及、ゲーム機やパソコンからの距離の拡大は、今後も続くだろう。

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小中高校生のネット機器利用状況をグラフ化してみる

※青少年のインターネット利用環境実態調査

直近年分は2016年11月5日から12月11日にかけ満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3284人(うちウェブ経由は108人)、保護者は3541人(うちウェブ経由は55人、郵送回収法は34人)。過去の調査もほぼ同様の様式で実施されている。