携帯電話料金が問題視されているが、その理由の一つには多くの子供が欲する一方で、一人一人にそれなりの負担を毎月生じさせるからに他ならない。ではその料金は誰が払っているのだろうか。金融広報中央委員会「知るぽると」が発表した「子どものくらしとお金に関する調査」(2015年12月から2016年3月にかけて、小中高生に対して学校を通して調査票による無記名自記式の記述方式で実施。有効回答数は小学生1万6329件、中学生1万3131件、高校生2万0689件。地域分散済み)から、その実情を探る。

今項目は携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォン双方。以下同)を持つ子供を有する保護者には特に気になる内容だが、調査期間に注意しなければならない。2010年分の調査ではスマートフォンの項目は無く「携帯電話」のみで、実質的に従来型携帯電話と同じ。そして直近の2015年ではスマートフォンと従来型携帯電話に仕切り分けが成され、その上で項目によっては双方を合わせた携帯電話に関しても質問が行われている。

まずはその携帯電話自身の所有率。2010年では事実上従来型携帯電話のみの問いとなっており、スマートフォン部分は空欄である。また携帯電話は回答者=子供専用のもののみで、家族との共有は該当しない。一方で回答者自身が購入したか否かは問われていない。

↑ 携帯電話を自分専用で所有しているか
↑ 携帯電話を自分専用で所有しているか

2010年自身は問い合わせをしていないため、スマートフォンの項目はゼロ。しかしこの5年間で子供達の間においても、携帯電話の一層の普及浸透と共に、大きく従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトが起きていることが分かる。とりわけ小学生の間でもすでに低学年ですら1割近く、高学年では2割が自分専用のスマートフォンを持っている状況には、驚きを覚える人もいるだろう。

さて携帯電話における月額利用料金(通信料に加え、ゲームの課金なども含めた、「携帯電話を利用する上で発生する金額」全体)、そしてそのうちどれほどの額を子供自身が(こづかいやアルバイト料から)自腹で払うかについて、答えてもらった結果が次のグラフ(直近の2015年のみ)。自分専用の携帯電話未所有者は回答に加わっていない。また小学生への質問票では該当する設問が無いため、グラフ上に掲載はしていない。

↑ 携帯電話の月次利用料金(利用者限定、2015年)
↑ 携帯電話の月次利用料金(利用者限定、2015年)

利用料金の最多回答範囲は中学生が5000円~1万円未満、高校生も同じ範囲だが、回答率が3倍近く多い。中学生はそれより下位層での回答率も多く、高校生と比べると料金が少なめなようだ。また中高生共に、とりわけ中学生は7割近くが「分からない」の回答となっており、多くの子供達の間では、自分が使っている携帯電話でどれほどの支払いが生じるのか、十分に把握していない実情がうかがえる。

他方、自分で支払う額は中高生とも2000円未満とする回答が最多。ただし高校生ではそれ以上の支払いをする事例もわずかだが多い。高校生になればアルバイトである程度自分のお金を用いて支払える領域が広まるため、中には全額を支払う事例もあるのだろう。

なお「分からない・無回答」の回答率は毎月利用料よりも自分で支払う額の方が多い。これは自分で支払う額に関しては、毎月利用料の把握ができていない人に加え、毎月利用料の把握はできても、自分の支払い分は逐次支払いをしているため金額の特定が難しい、クレジットカード払いなどで一時的に保護者に立て替えてもらっているなどでよく分からない、あるいは不確定要素が多すぎて金額が分からないなどの理由が考えられる。

さて、これらの回答について、金額範囲が分かっている回答者に限定し、回答項目の中央値を基に概算の平均を算出した結果が次のグラフ。

↑ 子供の携帯電話月額利用料(概算平均、円、2015年)
↑ 子供の携帯電話月額利用料(概算平均、円、2015年)

中学生は5242円、高校生は6911円が月額使用料金。通信料だけでなくゲームをはじめとした各種サービスの利用料金も含まれていると考えれば「こんなものだろう」との感はある。そしてそのうち、子供たちが自分のお財布から出している額は中学生が1169円で高校生が2149円。アルバイトもできず、毎月の小遣いとお年玉位しか収入源が無い中学生にとっては、月1200円はかなりキツい額。

ちなみに今調査での中学生の小遣いは、平均2536円、中央値2000円、最頻値1000円である。平均値で見ても半分は携帯電話代に持って行かれる。高校生(平均5114円)でも概算で、小遣いの1/3強は携帯電話の料金で吹き飛んでいることになる。保護者にとっても子供にとっても、携帯電話は便利なツールに違いないが、同時に懐への影響も大きな存在に違いない。

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