円高が分かる高校生は5割、金利計算が正しくできるのは4割強…中高生の金融クイズの回答状況

↑ 計算そのものは計算機に任せても、計算の仕方が分からなければ答えは…

世の中はお金に係わる物事に満ちあふれ、さまざまな場面で知識や計算が求められる。子供達はどこまで正しく知識を身に着け、計算ができるのだろうか。金融広報中央委員会「知るぽると」が発表した「子どものくらしとお金に関する調査」(2015年12月から2016年3月にかけて、小中高生に対して学校を通して調査票による無記名自記式の記述方式で実施。有効回答数は小学生1万6329件、中学生1万3131件、高校生2万0689件。地域分散済み)から探る。

たとえば「書類に記名し、印を押す」との厳密な書式を用いなくとも法的な契約は成立しうること、「日本銀行券」の正式名から分かるようにお札は日本銀行だけが発行できること(ちなみに貨幣は造幣局)など、大人なら大体(!?)皆が知っているような「お金の常識」について中高生にマルバツで尋ね、その正解率をグラフ化したのが次の図。

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↑ 金融に関する問題の正解率(2015年)(質問背景が赤塗りのものは「×」が正解のもの)
↑ 金融に関する問題の正解率(2015年)(質問背景が赤塗りのものは「×」が正解のもの)

意外なのは企業の資金調達の仕組み「株式や債券」の発行に関する問題や、銀行の収益源である「預金者からのお金を企業に貸し出している」などの設問の回答率が低いこと。また、「年利2%で100円を1年預けると利子は2円」といった単純な利子の計算について、中学生では3割強、高校生でも5割未満しか正解者がいなかったのも驚き。もっとも多分に間違って覚えているのではなく、計算方法そのものが分からない、さらには「利子」そのものを知らない、知識習得レベルでの誤答の可能性も否定できない。

エンゲル係数は現在はあまり重要視されておらず、使われる場面も少ない。従って、知名度・正解率の低さは仕方ないかもしれない。しかし成人してから多くの人が使うことになるクレジットカードについて、その基本的な仕組みすら理解していない中高生が多数を占めているのは、問題といえるかもしれない。

これらの知識は社会系の教科などで教えられることが多いが、専門の、たとえば「金融」「経済」といった教科は(商業系の専門学校や大学でもなければ)存在せず、学校側でも「すでに家庭で教わって知っているだろうから」との認識で、さらりと流されてしまうことが多い。一方家庭でもこれらのお金の知識について、過不足無く教えているかは、はなはだ疑問である。

幼い時から世の中で暮らしていくのに必要不可欠な「お金」に関する知識を概念的なものでよいので身につけておけば、大人になってから道を踏み誤るリスクは格段に小さくなる。それだけに、教育カリキュラムに金銭感覚を習得できるような知識、ノウハウを修得できる時間を組み込むことは、最重要課題といえる。

携帯電話やパソコン・インターネットの使用方法や注意点などと共に、お金の常識も併せて「道徳・倫理」とは別の「一般社会学」的な教科を新設し、義務教育や高校で学ばせる必要があるのかもしれない。

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