年賀ハガキの利用者がどんどん減っているらしいので発行枚数を調べてみた(2015年発行分まで)

↑ 年賀状の作成状況。一枚一枚手書きで書く人も少なくないが……(写真:アフロ)

今年は32億0167万枚、前年比マイナス3.0%

先日「少しずつ、そして確実に減る「はがきの年賀状」の利用者と枚数」でここ数年に渡り、ハガキの年賀状を出す人そのもの、そして出す人に限っても利用枚数が減っている状況を解説した。そこで頭に浮かぶのは、「ハガキの年賀状でもっとも多くの人が使う、日本郵便の官製年賀ハガキの発行枚数動向はどのような推移を示しているのだろうか? ハガキの年賀状利用者が減っているのなら、需要が減少しているのだから、当然発行枚数も減っているのでは」との疑問。そこで今回は、日本郵便(旧日本郵政公社、郵政事業庁)が毎年発行している、年賀ハガキの枚数の推移の確認を行うことにした。間接的に年賀ハガキ全体の利用状況も把握できるはずだ。

日本の郵便行政における年賀ハガキの発行は戦後に入ってからのこと。1949年発行・1950年用のものが初めてとなる。その当時の発行枚数は1億8000万枚。以後枚数を漸増させながら、1964年には10億枚、1973年には20億枚に届く。それらの動向をまとめたのが次のグラフ。直近の動きを分かりやすくするため、今世紀に限ったグラフも併記した。2015年発行・2016年用の分は、2016年1月8日付で確定報が発表されたため、その値を用いている。

↑ 年賀ハガキ発行枚数(万枚)
↑ 年賀ハガキ発行枚数(万枚)
↑ 年賀ハガキ発行枚数(万枚)(2001年以降)
↑ 年賀ハガキ発行枚数(万枚)(2001年以降)

発行枚数のピークは2003年の44億5936万枚。それ以降は多少の起伏を見せながらも枚数は少しずつ減少。直近7年間は連続で前年比マイナスを記録している。2015年発行・2016年用は前年比でマイナス3.0%となる。

なお前年比でプラスを示した最後の年、2008年は家庭用簡易印刷機であり、年賀状のプリント機器として大いに普及していた「プリントゴッコ」のメーカー販売が終了した年でもある。年賀ハガキの今後の動向を象徴する、出来事の一つであったかのようにも見える。

一人あたりの枚数を算出してみる

上のグラフを見る限り、今世紀に入ってから発行枚数の増加はストップし、漸減への動きを示している。そしてピークは2003年。日本の人口増加の緩慢化、そして減少も21世紀に入ってからであることから、「人口が減っているのだから、年賀ハガキの需要が減少するのも当然では」との考えもある。そこで各年の人口を総務省統計局の人口推計から抽出し、その人数で年賀葉書発行枚数を割った値、つまり「老若男女を問わず、日本人全員が年賀ハガキを購入した場合、一人あたり何枚になるのか」を算出したのが次のグラフ。

↑ 年賀ハガキ一人当たり平均枚数
↑ 年賀ハガキ一人当たり平均枚数

年賀葉書の発行枚数推移とほとんど変わらない形状のグラフが構築されたが、これは人口推移そのものが短期間では緩やかな変化しか起こしていないのが原因。ピーク時も発行枚数と同じく2003年で、平均枚数は約35枚。直近の2015年では約25枚。11年で約10枚分減ったことになる。

この「人口」には乳児など、そして年賀状を出さない人も含まれている。年賀ハガキを購入するのは年賀状を出す人に限られるので、一人あたりの実態平均購入枚数は、もう少し上乗せされるはず(もっとも法人によるまとめ買いもあるので、実際にはそう単純な話ではないが……)。

インターネットの普及率は今後も上昇し続け、デジタルネイティブ世代も次々と成人化していく。それにつれて年賀ハガキの需要は今後も減少し、発行枚数も減っていくのは明らか。年賀ハガキの完全なやり取りを止める以外に、他人から贈られてくる年賀状の枚数が減り、「ならば自分も来年から能動的に出すのは止めて、届いたら返事を出す程度にしようか」と送付スタイルを切り替える人も出てくる。いずれのパターンでも年賀ハガキの利用機会が減ることに違いは無い。

時代の成り行きとはいえ、寂しさを覚える人もいるに違いない。

■関連記事:

ちょっと気になる年賀状の問題、宛名書きと手書きメッセージ

年賀状、出す予定がある人は5割強、平均枚数は40通近く

※今記事は昨年分の「年賀ハガキの利用者がどんどん減っているらしいので発行枚数を調べてみた(2014年)」のデータアップデート版です