少しずつ、そして確実に減る「はがきの年賀状」の利用者と枚数

↑ コンビニでも販売中の年賀状。このようなのぼり旗も……

減る発行枚数、出す人も減る一方

毎年この時期になると書店やコンビニ、最近では郵便局においてですら目に留めるようになるのが、年賀状の印刷サービス。しかしはがきの年賀状の利用者、そして枚数は減少しているとの話も多い。その実情の一端を、ライフメディアのリサーチバンクが2015年12月に発表した、はがきによる年賀状の調査(2015年11月24日から30日にかけて、パソコンやスマートフォンを用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。男女比・世代構成比(10代から60代まで10歳区切り)で均等割り当て)結果などから探る。

日本郵便のリリースなどを元にした、年賀はがきの発行枚数推移は次の通り。2003年をピークとし、それ以降は漸減、特に2008年以降は毎年確実な減少傾向にある。

↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)
↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)

今調査をはじめ毎年同様の条件で行われている調査結果を元に、個人的にはがきの年賀状を出すか否かについて「出す予定」「届いたら出す」「喪中のため出さない」「出さない」の4選択肢の中から選ぶような設問において、能動的に出す人、つまり「出す予定」の人の回答率を経年変化でグラフ化したのが次の図。

↑ 個人的に年賀状(紙)を出す予定がある人(男性)
↑ 個人的に年賀状(紙)を出す予定がある人(男性)
 ↑ 個人的に年賀状(紙)を出す予定がある人(女性)
↑ 個人的に年賀状(紙)を出す予定がある人(女性)

第一印象として青系統(昔)より赤系統(今)の方がグラフの長さが短い、つまり回答率=はがきの年賀状を出す人が少なくなっているのが分かる。どの世代も男性よりも女性の方が、そして若年層よりも高齢層の方が出す割合は高い。

さらに詳しく見ると、元々回答率の高い女性はどの世代でも少しずつだが確実に(一部例外あり)減っている一方、男性はほぼ横ばいの動きを示している年齢階層が見受けられる。仕事関係によるはがきの年賀状の必要性・重要性が原因だと考えられるが、男女間の年賀状事情が垣間見えるようで興味深い。

出さない人の動向で見ると

今件動向を逆の視点、つまり(能動的には)出さない人から見たのが次以降のグラフ。まずは「出さない」「届いたら出す」の回答率推移。「喪中」はともあれ、この2選択肢が増えれば増えるほど、年賀状(はがき)を出す人は減ったことになる。

↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「出さない」の人)(全体)
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「出さない」の人)(全体)
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「届いたら出す」の人)(全体)
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「届いたら出す」の人)(全体)

「出さない」はスマートな形で増加を示し続け、ついに直近年では1/4に届きそうな値にまで達している。「届いたら出す」は2012年用(調査は2011年末に実施)から選択肢に加わっているが、こちらは直近分でやや値を落としているものの、大よそ増加傾向にある。確かな意志で「年賀状(はがき)」を出す人が減り、出さない人、原則出さないが他人から届いたら返答の意味で出す消極的な人が増えていることが分かる。

また「届いたら出す」よりも「出さない」人の方が多く、上昇度合いも確実であることから、年賀状(はがき)を出す行為は敬遠される傾向が強くなっているようだ。

これを性別・世代別に仕切り分けしたのが次のグラフ。

↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「出さない」の人)(属性別)
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「出さない」の人)(属性別)
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「届いたら出す」の人)(属性別)
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「届いたら出す」の人)(属性別)

10代は学校での付き合いもあるため、それなりに出す人が居ることから、「出さない」の割合は低くなる。もっとも高いのは20代で、それ以降歳を経るに連れて低くなってくる(=出す人が増える)。経年変化ではここ2、3年において男女とも若年層、特に10代から30代で年賀状(はがき)離れが進んでいることが容易に把握できる。また40代も直近2年間では大きく値を伸ばしている。

相手の様子をうかがい、ある意味もっとも合理的で確かな「届いたら出す」は、男女とも10代・20代に多い。女性はきれいな形で漸増しているが、男性は中堅層以降こそ少しずつ増えているものの、若年層は横ばい、さらには減る傾向すら見られる。これは直上のグラフの通り、その分「出さない」人が増えているから。男性若年層は「届いたら出す」の消極的な出す人までもが「出さない」人にシフトしていることになる。女性若年層が「届いたら出す」と「出さない」人の双方が漸増しているのとは対照的ではある。

出す人の枚数も減少中

ちなみに年賀状(はがき)を出す人においても、その枚数は漸減する傾向にある。年賀状を出す人に限定してその枚数を尋ねた設問における、枚数区分の中間値を用いて算出した概算値では、一部イレギュラーがあるものの、6年間で1割の減少が見られる。

↑ 年賀状(はがき)を出す人における概算枚数
↑ 年賀状(はがき)を出す人における概算枚数

今調査は携帯電話によるインターネット経由で行われているため、世間一般の実情と比べ、ややアナログ系の動向には厳しい結果が出ている(特に高齢層で)可能性はある。とはいえ、携帯電話の普及率現状を見る限り、劇的な食い違いは生じていないはず。

はがきによる年賀状の需要が無くなることは無いが、今後もソーシャルメディアなどのデジタル系コミュニケーションの浸透や、デジタルネイティブ世代が増えて来るに連れて、少しずつ利用率の減少は続いていくのだろう。

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