2014年で19.7%、喫煙率は半世紀でどれほど減ったのか

↑ 喫煙に関する規制を設ける場面も増えている

2014年の全体喫煙率は19.7%、過去最低値

JT(日本たばこ産業)では1965年以降毎年定点観測的に大規模な喫煙動向調査「全国たばこ喫煙者率調査」を実施し、その結果を発表している。今年もその調査結果が公開されたが、それによると2014年における全体的な(成人での)喫煙率は19.7%となり、調査開始以来初めて2割を切る形となった。男性は30.3%・女性は9.8%となり、いずれもやはり過去最低の値を示している。

↑ 全国喫煙率(-2014年7月、JT発表)
↑ 全国喫煙率(-2014年7月、JT発表)
↑ 全国推定喫煙人口(-2014年7月、万人、JT発表)
↑ 全国推定喫煙人口(-2014年7月、万人、JT発表)

喫煙人口は全体としてぶれることなく漸減傾向を継続。男女別動向では、喫煙人口は男性が圧倒的に多く、一定率で減少を続ける一方、女性は喫煙率上では10%切れを間近に横ばいで推移し、大きな動きが無かった。しかし直近の2014年では男性同様に喫煙率・喫煙人口共に減退し、特に喫煙率では節目の1割を切る形となっている。

直近の「たばこ販売本数実績の最新動向」(今時点では2014年6月分)で確認する限り、多少の起伏はあるが、2010年10月のたばこ大幅値上げ以降、そして2011年3月の震災に伴う一時的な供給減がさらに弾みをつける形で消費量は減退。さらに2014年4月の消費税率引き上げでも消費量の減退速度が加速されており、それらの数字からも喫煙人口の減少は裏付けられる。

↑ 紙巻きたばこ月次販売実績(販売代金・億円)(-2014年6月)
↑ 紙巻きたばこ月次販売実績(販売代金・億円)(-2014年6月)

半世紀でどれぐらい喫煙率は減ったのか

次に、JTが経年変化で調査している喫煙率について、男女、さらには世代別の属性に区分した上でその推移をグラフ化し、その状況を確認する。また最近の動向も推し量りやすいように、今世紀に限ったグラフも併記する。

↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(-2014年)
↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(-2014年)
↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(2001年-2014年)
↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(2001年-2014年)

今件動向に関して概況を箇条書きにまとめると、次の通りとなる。

・男性は一様に減少傾向。特に50歳以降の高齢者、また最近では20代の若年の喫煙率減少が著しい。

・女性は1980年前後を境に「高齢層>若年層」から「高齢層<若年層」に。

・女性は高齢者の喫煙率は減少傾向。だが50歳以下、特に20代から30代の喫煙率が前世紀末では上昇している。中でも20代はこの40年で喫煙率が2倍増になった。

・今世紀に入ってからは女性で「若年層…横ばいか減少」「中堅から高齢層…横ばいか微増」となり、前世紀末期とは逆の動きを示している。中でも20代は減少を続けている。

女性20代の喫煙率については、ここ数年の減少ぶりは加速度的なものがあり、2005年の20.9%から2014年の10.0%と、10年足らずでほぼ半減の動きを示している。

一方、女性40代から50代における喫煙率の横ばい、時折見せる上昇ぶりは他のどの世代にもない動きで、注目に値する。これを「女性の喫煙者漸増」と見るのか、あるいは「女性の現在値が、各世代における喫煙率ではほぼ下限値に達している」(ので、時としてリバウンド的な上昇を示す場合もある)なのか、判断は難しい。

↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(2009年-2014年)
↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(2009年-2014年)

男性はすべての世代で減少傾向。特に若年層で減少率が著しい。ただし複数の世代でここ数年減少の勢いが低下しており、底打ち感を覚えさせる。

女性は男性以上に「若年層のたばこ離れ」以外の下落幅縮小の動きが起きている。そして30代以降は横ばい、一部では前年比で増加の動きすらある。2011年分は震災の影響もあるが、ここ数年の上下感は上記でも記した通り、「各世代における下限に近付いている」可能性が高い。

2013年では複数の属性でイレギュラー的な増加が確認された(青矢印部分)。しかし2014年に入って再び減少しており、やはり一過性のものであることは間違いなさそうだ。同じような動きは2014年でも女性40代に見られるが、これもやはりイレギュラーなものといえよう。

今年2014年の下げ幅がやや大きめに出たのは、2014年4月からの消費税率引き上げによる影響も幾分考えられる。来年2015年に税率改定の影響がほぼ払しょくされた後、今年同様に下げ基調が継続されるのだろうか。またほぼ横ばいに推移する動きの男性40代、女性の40代以降に関しても、その成り行きを見極めたいところだ。

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